アレーニウムイオン機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/25 03:44 UTC 版)
「芳香族求電子置換反応」の記事における「アレーニウムイオン機構」の解説
ほとんどの芳香族求核置換反応は下式のように、アレーニウムイオンを経由する機構、アレーニウムイオン機構(SE2機構と呼ばれることもある)により進行する。 ベンゼン環に求電子剤が付加してアレーニウムイオンを与える。このとき、電子密度の高い炭素への付加が優先する。 プロトン (H+) が脱離し、置換生成物となる。 アレーニウムイオンは、Wheland中間体、σ錯体と呼ばれることもあり、超酸の使用により安定に存在させることもできる。求電子剤の付加が起こる前段階として、π錯体や電荷移動錯体を経由する場合、結合形成の前に電子移動を経由する場合もあると考えられている。それらは反応速度式や同位体効果の解析により識別される。 この機構における脱離基はほとんどの場合プロトンであるが、共鳴や立体障害などの要因でイプソ位への求電子攻撃が優先する場合に、アルキル基の脱離が起こることもある。
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