アストラットのエレイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/15 04:59 UTC 版)
「エレイン (アーサー王物語)」の記事における「アストラットのエレイン」の解説
アストラットのエレイン(Elaine of Astolat)はランスロット卿との悲恋で有名な乙女。アストラットの乙女、シャロットの乙女(The Lady of Shalott)とも。兄に円卓の騎士であるラヴェイン卿がいる。彼女の悲恋は様々な作家によりリライトされ、アルフレッド・テニスンなどが彼女を主人公にした詩を書いている。日本でも、夏目漱石が『薤露行(かいろこう)』を執筆している。また、『赤毛のアン』にはアンがエレインを真似てボートで川を下るエピソードがある。 エレインは、身分を隠すため、変装して槍試合に参加しようとしていたランスロット卿と出会い恋に落ちる。彼女の兄の武具を貸すさい、彼女は愛の印としてランスロット卿に赤いスカーフを身に付けてくれるように頼んだ。ランスロット卿は、これまで一度も貴婦人の愛の印としてその類の物を身に付けたことがなかったのだが、むしろ身分を隠すには丁度いいと考え直しスカーフを身に付けて試合に出る。試合後、瀕死の重傷を負ったランスロット卿を献身的に看護するも、完治したランスロット卿はエレインの愛を受け取らず宮廷に帰ってしまう。悲嘆にくれるエレインは食事も取らず、睡眠もとらず、恋煩いで死んでしまう。その後、エレインの遺言に従い、ランスロット卿への悲恋を書いた手紙を握り締めたエレインの遺骸は小船に乗せてキャメロットへ流される。これを発見したアーサー王や円卓の騎士たちはエレインの悲恋に涙するのであった。
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