へびつかい座TX星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/27 03:13 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動へびつかい座TX星 TX Ophiuchi |
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星座 | へびつかい座 |
視等級 (V) | 9.7 - 11.4[1] |
変光星型 | RVA[1] |
位置 元期:J2000.0 |
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赤経 (RA, α) | 17h 04m 00.0882276311s[2] |
赤緯 (Dec, δ) | +04° 59′ 00.823495069″[2] |
視線速度 (Rv) | -166 km/s[3] |
固有運動 (μ) | 赤経: -12.544 ミリ秒/年[2] 赤緯: -4.855 ミリ秒/年[2] |
年周視差 (π) | 0.1833 ± 0.0403ミリ秒[2] (誤差22%) |
物理的性質 | |
質量 | ∼ 3 M☉[4] |
表面重力 | 0.003 G[3][注 1] |
スペクトル分類 | G0[5] |
表面温度 | 5,000 K[3] |
金属量[Fe/H] | -1.2[3] |
別名称 | |
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へびつかい座TX星(へびつかいざTXせい、TX Ophiuchi、TX Oph)は、へびつかい座の方向に位置する脈動変光星である。
発見
へびつかい座TX星は、ハーヴァード大学天文台の写真乾板の調査から、リーヴィットによって発見された[6]。その後、ツィナーによって確定した変光星となり、以後「へびつかい座TX星」と呼ばれることになった[7]。ゲラシモヴィッチは、へびつかい座TX星の光度変化を詳しく調べ、その特徴がおうし座RV星と似ていることを明らかにした[8]。
特徴
へびつかい座TX星は、変光星総合カタログではRVAに分類されるおうし座RV型変光星である[1]。RVAは、おうし座RV型星の中でも、平均等級が変化しないものが分類される[9][10]。へびつかい座TX星は、約135日の周期で、9.7等から11.4等の間を増減光することが知られている[1]。スペクトル型は変光に伴って変化するが、典型的にはG0とされる[5]。近年になって、RVAと分類されているにもかかわらず、へびつかい座TX星に1万から1万2千日の周期で明るさが若干変化しているのがみつかっている[11]。
へびつかい座TX星の金属量は、水素を基準とした相対的な鉄の量でみて、太陽と比較し-1.2 dexという金属欠乏星である。その金属量と、視線速度の大きさ、銀緯からへびつかい座TX星は、厚い銀河円盤に属する恒星と考えられる[3]。
へびつかい座TX星は、南アフリカ天文台における赤外線測光観測から、赤外超過が検出され、温度970K、半径が恒星の13倍程度の星周塵の外層があるのではないかといわれたが、広域赤外線探査衛星による最近の観測では、赤外超過はないとされている[12][5]。
脚注
注釈
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