ぬ◦べし
[連語]《完了の助動詞「ぬ」の終止形+推量の助動詞「べし」。この場合「ぬ」は強調の用法》
「御舟(みふね)海の底に入らずは神落ちかかり—◦べし」〈竹取〉
2 意志を表す。…してしまうつもりだ。きっと…しよう。
「今いととくまかで—◦べし」〈かげろふ・中〉
3 (下に打消し・反語を伴って)可能の意を表す。きっと…することができる。…できそうだ。
「したり顔に、おとなしく、もどき—◦べくもあらぬ人の、言ひ聞かするを」〈徒然・一六八〉
4 当然の意を表す。きっと…するはずである。
「古今あまた書き写しなどする人は、みなも覚え—◦べきことぞかし」〈枕・二三〉
5 適当の意を表す。…するのがよい。
「けにかの国の内に、さも人の籠りゐ—◦べき所々はありながら」〈源・若紫〉
[補説] 「ぬべし」は平安時代から鎌倉時代にかけて最も多く用いられた。
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