ちゃぶ台返し
別表記:ちゃぶ台がえし、卓袱台返し
気に入らないことがあって権力者が激昂するなどして下の者の「お膳立て」を台無しにする、このまま円満に運ぶかと思われた事柄を権力者や上長の独断で御破算にする、といった意味合いで用いられることのある言い回し。
「ちゃぶ台」は大正・昭和の頃に普及した和室向けの食卓(食事用の座卓)である。ちゃぶ台を出す場面といえば食事を用意して家族で食事を取る場面であり、すなわち家族団らんのひとときである。そのような場面で、親父が何かにカチンときた場合、怒りに任せて
ちゃぶ台を食事ごとひっくり返す、という状況が「ちゃぶ台返し」と呼ばれる。
ちゃぶ台がひっくり返れば並べられていた料理もすべて散乱して台無しになる。料理に費やした手間が徒労に帰すだけでなく、散らかった食べ物を片付ける面倒があらたに生じる。場合によっては料理を作り直すことにもなりかねない。
この手の「ちゃぶ台返し」は、創作物語における演出として再現される場合がある。特にマンガ・アニメ作品「巨人の星」において主人公の父親(星一徹)がちゃぶ台返しを繰り出すシーンは、ちゃぶ台返しの典型的な場面として半ば定着している。
最近では家具としてのちゃぶ台は半ば廃れ、一般家庭で用いられることは稀となったが、ちゃぶ台返しになぞらえて「ほぼ完成しつつあった物事を上長の意向でなかったことにする、最初からやりなおすことにする」という意味合いで用いられる場合がある。
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