審査前置(しんさぜんち)
”審査前置”とは、拒絶査定不服審判の請求の際(請求の日から30日以内)に補正がなされた場合には、審判に先立って、審査官に再審査させることをいう(特許法第162条)。また、この再審査を前置審査という。
審査官の拒絶査定に不服の場合には、出願人は拒絶査定不服審判を請求して、審判官にその適否の判断を仰ぐことができる。したがって、拒絶査定不服審判の請求がなされた場合には、審判官がその審理を行うのが原則である。しかし、拒絶査定不服審判を請求するとともに補正を行った場合、もとの審査官がその補正内容に基づいて審査を行えば、迅速に特許査定を行うことができる場合もある。そこで、補正があった場合には、一旦、審査官による前置審査を行うこととしている。
前置審査の結果、特許できるものであれば、審査官は拒絶査定を取り消して特許査定を行う。やはり特許できないものであれば、審判官の審理に移行する。
(執筆:弁理士 古谷栄男)
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