かつての王冠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/09 07:22 UTC 版)
(現在の王冠の名の由来となった)エドワード懺悔王のオリジナルの王冠は、1065年のクリスマスに彼が用いたものである。この王冠には、アルフレッド大王の王冠の一部が使われた可能性がある。伝えるところでは1066年のクリスマスの日、ウィリアム1世の戴冠式でも聖エドワード王冠は用いられた。すなわち王位継承が征服でなく正当な資格に拠ることを示すためである。その後続けて、ウィリアム2世(1087年)、ヘンリー1世(1100年)、スティーブン(1135年)、ヘンリー2世(1154年)、リチャード1世(1189年、1194年)、ジョン(1199年)の戴冠式でこの冠は用いられた。 1216年、ヘンリー3世の最初の戴冠式では、この王冠ではなく、花で編んだ冠 (chaplet) が用いられた。ドイツの歴史家 Reinhold Pauli (en) はこの点から、ジョン王によって失われた王室祭具の内にオリジナルの聖エドワード王冠も含まれていたと推測している。しかし Arthur Penrhyn Stanley (en) が主張するところでは、オリジナルの王冠やその他の祭具は1642年まで失われず、ヘンリー8世の時代までウェストミンスターの宝物庫に保管されていたとしている。同じ王冠は1533年にアン・ブーリンの戴冠式でも用いられたと伝えられる。イングランド内戦の際オリバー・クロムウェルによってこの王冠は破壊されたが、1661年にチャールズ2世の戴冠式のため再作成された。
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