お伝えと掛念仏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 01:37 UTC 版)
各講社では、富士講の経本であるお伝えを伝授している。お伝えは教義などを祭文や祝詞としてまとめたもので、体裁は小型の折り本になっている。もともとお伝えは、江戸時代においては御師か高名な先達に書いてもらうもので、なおかつ複数回に分けて書いてもらうため、完全な状態になるまでは数回の御山詣でをしなけらばならなかったという。また、富士講の系譜には村上派・月行派・身禄派などがあり、それぞれに経本が存在する。講社がお伝えを唱えるのは、浅間神社参拝、松明を前にした御焚上げ、御師宿の祭壇などで、先達の唱えに講員が合わせていく。 また、宮元講や、丸金講・丸伊講などでは、「エーナンマイダブー、ロッコンショウジョウ」と謡って唱える六根清浄などの掛念仏が行われる。これら、お伝えや掛念仏を唱えられるようになるには、およそ10年はかかるという。講員たちはさらに、松明が焼け落ちた夜中に御師坊から出てきて、燃え残りの消し炭を拾っていく。それを自宅の神棚や軒先に吊るしておくと火難を逃れると言われている。この際も掛念仏が唱えられる。
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