おいにけるぞや
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/13 00:18 UTC 版)
シテ「筒井筒」地謡「筒井筒 井筒にかけし」シテ「まろが丈」地謡「生ひにけらしな」シテ「おひにけるぞや」 本曲の末尾付近にある上記の詞章の「おひにけるぞや」の解釈が分かれている。 表章は「おひにけるぞや」を「老いにけるぞや」と校訂し、この詞章を「「生ひにけらしな」と詠んだのだったが、そうした若い頃も過ぎ、やがては年老いてしまったのであったよ」という風に紀有常女の老いの嘆きと解釈した。 一方、伊藤正義は、「おひにけるぞや」を「生ひにけるぞや」と校訂し、この詞章を「もう大きくなったようだよ、お互いに一人前の大人になったんだね、という、最も幸せだった時の回想であるべきで、ここに老いへの詠嘆の意はあるまい」と、業平と紀有常女の「お互いに生長した時期の回想」と解釈した。飯塚恵理人も、業平(に移り舞した紀有常女)が元服後の冠を被ってると解される事、他に老いを示す詞章が無い事などからこれを支持している。
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