色収差 chromatic aberration
- レンズに入射する電子のエネルギーのばらつきのために起きる収差。すなわち、光軸上の一点から放出された電子のエネルギー(速度)がばらついていると、レンズに入射したときの屈折率が違うため、光軸上の異なった場所に集束し、半径 r の拡がりを持つ。この拡がりは、r=CcαΔE/Eとなり、電子のエネルギー(加速電圧 E )に反比例し、エネルギーのばらつき(ΔE)に比例する。比例係数は色収差係数(chromatic aberration coefficient)と呼ばれ、Ccで表される。ここでαは開き角である。SEMは加速電圧が低いので、電子銃から放出された電子のエネルギーのばらつきが問題であり、とくに低加速電圧での影響が大きい。なお、色収差という言葉は、エネルギーの違いが波長の違いを意味することから、光学レンズにならって名付けられたものである。
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