『空虚』展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/11 08:04 UTC 版)
1958年、パリのイリス・クレール画廊において全く何も展示しない『空虚』展を開催し、物議を醸す。IKBで印刷された案内状や、画廊への途中にIKBで塗られた物が置かれるなど、会場までには青色が手がかりとして残されていたが、画廊の中は何もない真っ白であった。 彼は、画廊に来るまでの外側に青色の可視的な物質を拡散させた代わりに、画廊内部では青色は「非物質化」されているとした。不可視化され画廊内部に充満した「見ることのできない青色の空間」と、画廊までの道で青色に浸透してきた観客の心の内側が、この空間で重ね合わせられるだろうと述べている。 展覧会後、観客をカフェに招いたクラインは、ジンにコアントロー、メチレンブルーを加えた真っ青なカクテルを振る舞ったと言われる。こうして彼は青色の絵画を展示し壁面に浮遊させ、青色を海綿に浸透させ、ついには青色を拡散させて充満させたことになる。
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