『ルネサンス』とその影響
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「ウォルター・ペイター」の記事における「『ルネサンス』とその影響」の解説
ペイターの名を一躍世に知らしめることとなったのが『ルネサンス』の出版である。この論文集は1873年の初版において『ルネサンスの歴史の研究』と題されていたが、1877年に出された第2版より『ルネサンス-芸術と詩の研究』に名称を改められた。またこの版では「結論」が削除され、「オーカッサンとニコレット」が「フランスの古い物語二篇」に題名変更されている。1888年に出された第3版では、「結論」が修正され復活し、新たに「ジョルジョーネ派」が加わった。第4版は1893年に出版され、この版をもって決定版とされている。 教え子でもあったオスカー・ワイルドが『ルネサンス』を「黄金の書」として半ば奉ったこともあり、世紀末を通してこの書には「唯美主義」や「デカダンス」といったイメージが付着した。1876年に発表されたW. H. マロックの『新共和国』において、ペイターは「ローズ氏」という典型的なデカダン派の人物に見立てられつつ揶揄されている。ペイター自身、必ずしもこのような状況を好意的に受け取っていた訳ではなく、『ルネサンス』第3版で復活した「結論」には、第2版における「結論」の削除理由を述べたペイターの自注が添えられている。
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