『イナンナの冥界下り』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 02:13 UTC 版)
「イシュタル」の記事における「『イナンナの冥界下り』」の解説
「イナンナ」も参照 冥界に心惹かれたイナンナは、地位と神殿を捨て盛装し、冥界へ赴いた。エレシュキガルに冥界を訪問したことを激怒されたイナンナは、7つの門をくぐるたびに身ぐるみ剥がされ、全裸にされた。果てにはエレシュキガルから「死の眼差し」を受けて死亡し、その死骸は鉤に吊るされた。イナンナが戻らないまま3日3晩 が経ち、地上ではイナンナの従神ニンシェブルがエンキ(エア)に助けを求めた。エンキは2人の人間を作り、「生命の水」と「生命の草」を持たせて「冥界に降りたらイナンナの死骸に振りかけるように」と命じた。この一連の動作によってイナンナは甦り、地上への帰還を果たした。イナンナの帰還は身代わりを用意するという条件付きだったので、イナンナはその身代わりとして、妻(イナンナ)の死のために喪に服していなかったドゥムジを指名した。身代わりを確保するために冥界からやって来た使者「ガルラ霊」から逃れるために、ドゥムジは義理の兄弟ウトゥ(シャマシュ)に助けを求めた。ウトゥに蛇に変えてもらったドゥムジは、一旦はその身を隠すことに成功し逃れることができたが、最後にはイナンナに見つかってしまう。最終的に、ドゥムジは自身の姉妹と半年ずつ交互に、冥界へ留まらなければならなくなった。
※この「『イナンナの冥界下り』」の解説は、「イシュタル」の解説の一部です。
「『イナンナの冥界下り』」を含む「イシュタル」の記事については、「イシュタル」の概要を参照ください。
- 『イナンナの冥界下り』のページへのリンク