「白拍子花子」という役名について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 15:37 UTC 版)
「娘道成寺」の記事における「「白拍子花子」という役名について」の解説
現在では『娘道成寺』を上演する際、その役名を「白拍子花子」とするが、江戸時代にはこの役名は一定していなかった。たとえば宝暦3年の時に演じた富十郎の役名は花子ではなく横笛であった。横笛という娘が殺される場面がこの舞踊の前の幕にあり、その亡霊が白拍子となって鐘供養の場にあらわれる…という筋書きが、この時演じられた娘道成寺にあったという。そして富十郎以降においても、『娘道成寺』は違う芝居の一部に加えられ、白拍子もその芝居の中の人物に名を変えて当てはめられた(ちなみに鐘の供養をする寺の名も、当然道成寺に限らなかった)。もっとも江戸時代においても、その時の芝居の内容とは関係なく独立した所作事として上演される例はあったが、それでも役名は「白拍子桜木」や「白拍子桜子」、または単に「白拍子」としていた。「白拍子花子」というのは明治以降定着したものである。
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