γ-アミノ酪酸受容体への作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 05:45 UTC 版)
「アニサチン」の記事における「γ-アミノ酪酸受容体への作用」の解説
カエルの脊髄や、ラットの脳を使用した実験の結果、アニサチンはγ-アミノ酪酸受容体に対して、非競合的にブロックする作用を有する化合物である事が示された。つまり、アニサチンのγ-アミノ酪酸受容体に対するブロックは、この受容体のアゴニストであるγ-アミノ酪酸を加えても解除されなかった。なお、γ-アミノ酪酸受容体において、アニサチンと同じ場所に結合する毒物としてピクロトキシニン(picrotoxinin)が知られている。しかしながら、ピクロトキシニンを高濃度でγ-アミノ酪酸受容体に作用させると、アニサチンによるγ-アミノ酪酸受容体へ対する作用は消失する事が、ラットの神経細胞を用いた実験で判明した。 γ-アミノ酪酸受容体をアニサチンがブロックした結果として発生した痙攣については、ジアゼパムを投与すれば、抑える効果が出ると判明した。なお、ジアゼパムはベンゾジアゼピン骨格を持った化合物の1つである。ベンゾジアゼピン骨格を持った化合物は、一般にGABAA受容体に作用して、神経細胞の塩化物イオンチャネルを開口させる確率を高めて、細胞外からの塩化物イオン流入を発生し易くする事によって、神経細胞の活動電位の発生を抑える事で、薬理効果を発揮する。ベンゾジアゼピン骨格を持った化合物の中で、ジアゼパムは抗痙攣作用が強い部類に入る事で知られる。
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