Intel Core 2 Intel Core 2の概要

Intel Core 2

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/29 19:07 UTC 版)

Intel Core 2
Core 2 Duo E6300
生産時期 2006年から
生産者 インテル
CPU周波数 1.06 GHz から 3.33 GHz
FSB周波数 533 MHz から 1600 MHz
プロセスルール 65nm から 45nm
マイクロアーキテクチャ Core
命令セット x86, x64
コア数 1、2、4
ソケット LGA 775
Socket M
Socket P
Micro-FCBGA
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元々はモバイル向けとして開発され、そこからデスクトップワークステーションサーバ向けの製品が派生的に開発されている。そのため、Coreマイクロアーキテクチャ内での世代を表す開発コードネームは、モバイル向けの標準ダイのものが用いられる。しかしそれぞれの用途向けであっても内容的にはほぼ同じであり、先行して開発が進んでいたモバイル向けにそれぞれの用途向けの機能が追加されていったり、組み込まれた機能を無効化することでそれぞれの用途向けに作り分けられている。

2008年の第4四半期より出荷が始まったCore i7をはじめとする、Nehalemマイクロアーキテクチャの各CPUに順次置き換えられた。

製品ラインナップ

主な用途 製品名 Meromファミリ
プロセスルール65nm、第一世代
Penrynファミリ
プロセスルール45nm、第二(最終)世代
デスクトップ向け デュアルコアCore 2 Extreme Conroe-XE
クアッドコアCore 2 Extreme Kentsfield-XE Yorkfield-XE
Core 2 Quad Kentsfield Yorkfield
Core 2 Duo Conroe/Allendale Wolfdale
Pentium Dual-Core
(後にPentiumに改称)
Conroe-1M/Allendale-1M Wolfdale
Celeron Dual-Core Allendale-512K Wolfdale
Celeron Conroe-L(Conroe-512K) Perryville
モバイル向け デュアルコアCore 2 Extreme Merom-XE Penryn-XE
クアッドコアCore 2 Extreme Yorkfield-XE
Core 2 Quad Penryn
Core 2 Duo Merom Penryn
Core 2 Solo Merom-SC Penryn-SC
Pentium Dual-Core
(後にPentium に改称)
Merom-1M Penryn
Celeron Dual-Core Merom Penryn
Celeron Merom-1M Penryn-L
サーバ / ワークステーション向け Celeron445 Conroe-CL
Core 2 Duo E6x05 Conroe-CL
デュアルコアXeon (E)3000番台 Conroe Wolfdale(-CL)
クアッドコアXeon X3000番台 Kentsfield Yorkfield(-CL)
2CPUを搭載するサーバ向け デュアルコアXeon DP 5000番台 Woodcrest Wolfdale-DP
クアッドコアXeon DP 5000番台 Clovertown Harpertown
4CPU以上を搭載するサーバ向け デュアルコアXeon MP Tigerton-DC
クアッドコアXeon MP Tigerton-QC Dunnington-QC
ヘクサコアXeon MP Dunnington-hexa

デスクトップ向けラインナップ

個々の製品は概ね、コアの数、キャッシュの容量、FSBの速度、そして消費電力で差別化が行われている。これら差別化を反映して、熱設計電力 (TDP) に製品差異が生まれた。

Core 2 Extreme (デスクトップ向け)

ハイエンドデスクトップ/ワークステーション向けCPU「Pentium Extreme Editionシリーズ」の後継製品。コアユーザー、ゲーマー向けのハイパフォーマンスCPUとして発表された。Extremeは、その他の製品と違い内部コアクロックの倍率が固定されておらず、変更が可能となっている。

Conroe-XE (コンロー・XE)
Intel Core 2 Extremeの第一世代の製品。Core 2の最上位製品であるが、Core 2 Duoとの差はほとんどない。相違点は動作周波数が1段上回り、コアの動作クロックの倍率が固定されていない点のみである。行き詰まっていたPentium Extreme EditionPentium Dの速やかな更新が必要で、Core 2 Duoと差別化をする余裕がなかったためと考えられる。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT英語版対応 ソケット TDP 備考
X6800 2.93GHz (266MHzx11(倍率は変更可)) 2コア 1066MHz
(1066 MT/s)
4MB × LGA775 75W 2006年7月27日発表(JP)
Kentsfield-XE (ケンツフィールド・XE)
2006年11月14日に発表されたCore 2 Extremeの新製品。2個のConroeの半導体ダイを1個のパッケージに封入したMulti-Chip Module (MCM)方式のクアッドコアプロセッサ。複数のダイを一つにパッケージングするMulti Chip Package(MCP)は、開発期間短縮と歩留まりの向上に効果がある。しかしダイ間の通信はFSBを介して行うので、ダイ間の通信速度は同ダイ上のコア間より遅くなってしまう。また同ダイおよび別ダイでコア同士の関係が同一ではないので、状況により処理能力に違いが発生する場合がある。この問題はWindows 2000までのWindowsで顕著であった。Windows XPにおいてHyper-Threading Technologyのサポートが行われた際に、この不均質な関係を持つCPUのサポートが追加され、System BIOSから各CPUの情報を得てタスク割り当ての参考とするようになった。これにより処理内容によっては処理効率が大きく向上した。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP 備考
QX6850 3.00GHz (333MHzx9(倍率は変更可)) 2コアx2ダイ 1333MHz
(1333 MT/s)
4MB×2 × LGA775 130W
QX6800 2.93GHz (266MHzx11(倍率は変更可)) 1066MHz
(1066 MT/s)
QX6700 2.66GHz (266MHzx10(倍率は変更可))
Yorkfield-XE (ヨークフィールド・XE)
第2世代(最終世代)であるPenrynファミリーで最初に発表された製品の一つ。2007年11月11日に発表された。この時点ではQX9650のみ。デュアルコアの2個ダイをKentsfield-XEと同じくMCM実装している。プロセッサー・ナンバーはQX9000番台で、QX6000シリーズの上位モデル。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP 備考
QX9775 3.20GHz (400MHzx8(倍率は変更可)) 2コアx2ダイ 1600MHz
(1600 MT/s)
6MB×2 × LGA771 150W
QX9770 3.20GHz (400MHzx8(倍率は変更可)) LGA775 136W
QX9650 3.00GHz (333MHzx9(倍率は変更可)) 1333MHz
(1333 MT/s)
130W

Core 2 Quad (デスクトップ向け)

Core 2 Duoの上位製品。2つのCore 2 Duoコアを一つのパッケージに収めて高性能化を図った[1]。合計4つのコアを利用するので、4を意味する「Quad」のブランド名になっている。

Kentsfield (ケンツフィールド)
2007年1月9日に発表された。プロセッサ・ナンバにはクアッドコアを示すQが付くだけで、消費電力を表すアルファベット(Power Class)は付かない。
2008年2月AMDの新製品Phenomに対抗するために、インテルは恒例とも言えるディスカウント攻勢にQ6600を起用した。日本での市価は高クロックのデュアルコア製品よりも低めに設定され、あわせてIntel2 チップセットマザーボードに対するリベートを加えることでQ6600を2万円前後で入手できるようにした結果、日本の自作パソコンユーザーにクアッドコアブームが起こった。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP 備考
Q6700 2.66GHz (266MHzx10) 2コア×2ダイ 1066MHz
(1066 MT/s)
4MB×2 × LGA775 95W 2007年7月17日(JP)発表
Q6600 2.40GHz (266MHzx9) 105W / 95W(Stepping G0以降) 2007年1月8日(US)発表
Yorkfield (ヨークフィールド)
45nmプロセスで製造される第二世代(最終世代)のCore 2 Quad。
下表においてプロセッサー・ナンバー末尾にsがついたものは省電力版 (TDP65W) である。当初はセットメーカーへのみ出荷されていたが、2009年2月にリテール品も発売された[2]
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP 備考
Q9650 3.00GHz (333MHzx9) 2コア×2ダイ 1333MHz
(1333 MT/s)
6MB×2 LGA775 95W 2008年8月10日(JP)発売
Q9550 2.83GHz (333MHzx8.5) 2008年3月24日(US)発表
Q9550s 65W 2009年2月8日(JP)発売
Q9505 3MB×2 95W 2009年8月31日(JP)発売
Q9450 2.66GHz (333MHzx8) 6MB×2
Q9400 3MB×2 2008年8月10日(JP)発売
Q9400s 65W 2009年2月8日(JP)発売
Q9300 2.50GHz (333MHzx7.5) 95W 2008年3月24日(US)発表
Q8400 2.66GHz (333MHzx8) 2MB×2 × 2009年4月19日(JP)発売
Q8400s 65W 2009年4月25日(JP)発売
Q8300 2.50GHz (333MHzx7.5) ×(SLB5W)/○(SLGUR) [3] 95W 2008年12月2日(JP)発売
Q8200 2.33GHz (333MHzx7) × 2008年8月31日(JP)発売
Q8200s 65W 2009年2月8日(JP)発売

Core 2 Duo (デスクトップ向け)

Conroe (コンロー), Allendale (アレンデール)
第一世代のデスクトップパソコン向けCore 2 Duoの開発コードネーム。概ね2次キャッシュが4MBのものをConroe、2次キャッシュが2MBのものをAllendaleとしている。厳密には、E6400, E6300は物理的に4MBの2次キャッシュが搭載されている内の2MBが無効にされており、コアが同じであるため資料に4MB同様Conroeと表記されている。Allendaleは、E4300など2次キャッシュを元来2MBしか作り込んでいないコアの開発コードネームである。
消費電力や発熱で行き詰っていたPentium 4Pentium Dを置き換える製品。絶対性能でPentium Dを超え、かつ消費電力もより低くなっているため、消費電力あたりの性能は非常に高い。しかし動作温度の上限値であるTcaseがやや低下しており、性能をフルに発揮させるためにはそれなりに冷却に気を遣う必要がある。Pentium 4やPentium Dなどと同じくLGA775ソケットを採用するものの、その高度な省電力機能の代償としてマザーボード上のVRD部がVRD11.0以降に規格準拠している必要がある。そのため、Pentium 4やPentium D向けに製造されていた当初の945チップセットなどを使用したLGA775ソケットマザーボードではCore 2 Duo は動作しない。マザーボードベンダーは、再設計により945チップセットのマザーボードをCore 2 Duoに対応させた。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP
E6700 2.66GHz (266MHzx10) 2コア 1066MHz
(1066 MT/s)
4MB × LGA775 65W
E6600 2.40GHz (266MHzx9)
E6420 2.13GHz (266MHzx8)
E6400 2MB
E6320 1.86GHz (266MHzx7) 4MB
E6300 2MB
E4700 2.60GHz (200MHzx13) 800MHz
(800 MT/s)
×
E4600 2.40GHz (200MHzx12)
E4500 2.20GHz (200MHzx11)
E4400 2.00GHz (200MHzx10)
E4300 1.80GHz (200MHzx9)
  • 2007年4月22日の価格改訂後のE6300/E6400についてはAllendaleコアを搭載しているとの情報もある。
Conroe (コンロー)
ConroeコアのFSBを1333MHzに引き上げたもの。新たにトラステッド・エグゼキューション・テクノロジー英語版(TXT)がサポートされる。その他のスペックについては同じ。チップセットはIntel 3 Seriesと一部のP965 Expressが対応している。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP
E6850 3.00GHz (333MHzx9) 2コア 1333MHz
(1333 MT/s)
4MB LGA775 65W
E6750 2.66GHz (333MHzx8)
E6550 2.33GHz (333MHzx7)
E6540 ×
  • E6540については組込、OEMメーカー向けで、一般ユーザーが単体で入手できる機会は少ない。
Wolfdale (ウルフデール)
45nmプロセスで製造される第二世代(最終世代)のCore 2 Duo。TDPはConroeと変わらず65Wであるが、2次キャッシュの増量 (4MB → 6MB) が行われ、最高クロックも更新されている。E8000シリーズ/E7000シリーズには、SSE4.1が実装されている。対応チップセットはConroe (FSB 1333MHz) と同じ。初期の製品にはコアの温度計測を正常に行なえないものが含まれている。
E7000シリーズは、E4000シリーズの後継で2次キャッシュは3MB。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP
E8600 3.33GHz (333MHzx10) 2コア 1333MHz
(1333 MT/s)
6MB LGA775 65W
E8500 3.16GHz (333MHzx9.5)
E8400 3.00GHz (333MHzx9)
E8300 2.83GHz (333MHzx8.5)
E8200 2.66GHz (333MHzx8)
E8190 × ×
E7600 3.06GHz (266MHzx11.5) 1066MHz
(1066 MT/s)
3MB
E7500 2.93GHz (266MHzx11) ×/○
E7400 2.80GHz (266MHzx10.5) ×/○
E7300 2.66GHz (266MHzx10) ×
E7200 2.53GHz (266MHzx9.5)
  • E8190は組込、OEM向けである[4]ことから、一般ユーザーが単体で入手できる機会は少ない。

注釈

  1. ^ Voltage Identification の略。

出典

  1. ^ Core 2からCore i7へ 最新インテルCPUロードマップ - ASCII.jp(2009年5月21日). 2013年11月29日閲覧。
  2. ^ 笠原一輝 (2008年12月15日). “笠原一輝のユビキタス情報局”. Impress Watch Corporation. 2009年2月6日閲覧。
  3. ^ Intel® Core™2 Quad Processor Q8300 (4M Cache, 2.50 GHz, 1333 MHz FSB) with SPEC Code(s) SLB5W, SLGUR”. Intel Corporation. 2009年7月2日閲覧。
  4. ^ Monica, Chen (2007年11月16日). “Intel to add one more 45nm CPU to E8000 family” (英語). DIGITIMES Inc.. 2009年2月6日閲覧。


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