魔法少女リリカルなのはシリーズ 魔法少女リリカルなのはシリーズの概要

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魔法少女リリカルなのはシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/08 01:11 UTC 版)

テレビアニメ作品、そしてそれを中心としたドラマCD作品、漫画作品、小説作品、アニメーション映画作品などからなる、魔法少女作品。

本項ではシリーズの全体的な概要、およびシリーズ共通の設定について記述する。

作品の成立

本シリーズは2000年ivoryが制作しJANISが発売した18禁恋愛アドベンチャー作品『とらいあんぐるハート3 〜Sweet Songs Forever〜』(通称『とらハ3』)に由来を持つスピンオフ作品の一種である。もとはおまけとしてスタッフがシャレで作った嘘企画の「CMスポット」という名前のCMテロップであったが、そこから構想を膨らませてゆき、2001年発売の同作のファンディスクとらいあんぐるハート3 リリカルおもちゃ箱』内のミニシナリオ全13話を作成、後にそれを原作としたテレビアニメシリーズが作成される[注釈 1]

テレビアニメ化にあたっては原作のシナリオを担当した都築がみずから脚本を手がけているが、作品世界や登場人物の設定等に原作とは大幅な変更がなされ、とりわけ第3期『魔法少女リリカルなのはStrikerS』以降の作品ではスピンオフ元である『とらハ3』に由来する設定や登場人物は大幅に省略されている。都築自身も原作とはパラレルワールドであるとの意味の発言を自身のサイトや雑誌のインタビューなど[要文献特定詳細情報]でしている。

作風

内容については、魔法によるアクションアニメとして紹介される事が多いが、その方向性が確立されたのはテレビ版第2期からである。 テレビ版第1期については、序盤は魔法少女アニメなどの「変身ヒロイン」をテーマにした作風だが、フェイトが登場した辺りから次第に派手な演出の戦闘が目立つようになり、魔法バトルアクション的な作風になっていく。テレビ版第2期においては序盤から魔法バトルアクションの内容が展開され、魔法バトルアクションものの作風に統一される。テレビ版第3期で設定が変更されたことから、刑事ドラマのような要素が作風に組み込まれている。 また、『A's』のDVDのCM(DVD第4巻に映像特典として収録)では「熱血バトル魔法アクションアニメ」というキャッチコピーが使用され、主人公・高町なのは役の田村ゆかりには「魔少女アニメ」と称された[どこ?]

本シリーズでは主人公の動機の強さや感情の高まりは必ずしも勝敗を左右しないという非情なリアリティが貫かれている[1]。作中では敵対する者は譲れない事情といった強烈なモチベーションを持つあるいはその人物にとって特別な動機を抱えて行動し、主人公は地道な訓練の積み重ねで身に着けた力量で自らも譲れぬ思いを胸に相手と対峙するというのが基本的なストーリーであり、戦いを通じて困難な対話を成立させようと試みる状況がシリーズを通して繰り返し描かれる[1]。また、アニメシリーズ各作品において最大のピンチを乗り越えようとする場面では、ヒロインの心情を盛り込んだ挿入歌が流されるという演出が用いられ、作品のクライマックスを盛り上げる重要な要素となっている[1]

「呪文をデバイスへのコマンドとみなす」「魔法発動にテクノロジー的な要素を用いる」など、「魔法」を「魔力」を消費することにより発動する「超科学」的存在として扱っている。

沿革

2004年10月から12月までテレビアニメ『魔法少女リリカルなのは』(第1期)を放送。放送中および放送後に本編のサイドストーリーを描いたドラマCD『魔法少女リリカルなのは サウンドステージ01-03』が発売。

2005年10月から12月までテレビアニメ『魔法少女リリカルなのはA's』(第2期)を放送。放送に先駆け『メガミマガジン』2005年10月号から2006年2月号まで漫画「魔法少女リリカルなのはA's THE COMICS」(原作:都築真紀、作画:長谷川光司)が連載された。放送中および放送後にドラマCD『魔法少女リリカルなのはA's サウンドステージ01-03』が発売。都築真紀による小説作品『魔法少女リリカルなのは』が発売。

2007年4月から9月までテレビアニメ『魔法少女リリカルなのはStrikerS』(第3期)を放送。放送に先駆け『メガミマガジン』2006年11月号から2008年2月号まで漫画「魔法少女リリカルなのはStrikerS THE COMICS」(原作:都築真紀、作画:長谷川光司)が連載された。放送中および放送後にドラマCD『魔法少女リリカルなのはStrikerS サウンドステージ01-04』が発売。

2008年7月に、テレビアニメ版第1期をベースにした劇場版『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』の製作が発表され[2]2010年1月23日から公開された。

2008年8月、コミックマーケット74にて第3期の3年後を描いたドラマCD『StrikerS サウンドステージX』が発売(同年10月一般販売された)。

2009年角川書店より創刊された『娘TYPE』Vol.1に第4期として『魔法戦記リリカルなのはForce』(原作:都築真紀、作画:緋賀ゆかり)のプロローグが掲載、2009年7月30日発売のVol.2より本格連載が開始された。同じく第4期として『月刊コンプエース』2009年7月号より『魔法少女リリカルなのはViVid』(原作:都築真紀、漫画:藤真拓哉)の連載が開始された。

2009年9月30日発売の『メガミマガジン』2009年11月号から2011年2月号まで『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』と過去に発表された小説版をベースとした、新たなパラレルストーリー「魔法少女リリカルなのは MOVIE 1st THE COMICS」(原作:都築真紀、漫画:長谷川光司)が連載された。

2010年、PlayStation Portableで『魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE -THE BATTLE OF ACES-』が1月21日に発売された。

2010年11月、テレビアニメ版第2期『A's』をベースにした『The MOVIE 1st』の続編となる劇場版第2作目『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's』(2012年7月14日公開)の制作とPlayStation Portableで『魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-』(2011年12月22日発売)の製作が発表された。

2012年7月26日発売の『月刊コンプエース』2012年9月号から2014年5月号まで、本シリーズとは異なる世界観を持つスピンオフソーシャルゲーム『魔法少女リリカルなのはINNOCENT』を題材にした漫画版が連載された。(原作:都築真紀、漫画:川上修一)2014年4月26日発売の『月刊コンプエース』2014年6月号より『魔法少女リリカルなのはINNOCENTS』と改題され第2部の連載が開始した。

2013年3月、『The MOVIE 2nd A's』の続編となるものの完全新規ストーリーとなる劇場版第3作目『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 3rd Reflection』の製作が発表された。

2013年3月31日、本シリーズとは異なる世界観を持つスピンオフ、ソーシャルゲーム『魔法少女リリカルなのはINNOCENT』が稼働開始。

2013年9月、『月刊娘TYPE11月号』にて、『魔法戦記リリカルなのはForce』の長期休載の告知が掲載された。

2013年11月、『月刊娘TYPE1月号』よりTV版『魔法少女リリカルなのは』のストーリーを軸とし、「劇場版」「ドラマCD」「小説版」全ての要素が入った、漫画『ORIGINAL CHRONICLE 魔法少女リリカルなのはThe1st』(原作:都築真紀、漫画:緋賀ゆかり)の連載が開始された。純粋に本編のストーリーを追った漫画化はこれが初となる。

2014年8月、『魔法少女リリカルなのはViVid』(第4期)のTVアニメ化が発表され、2015年4月から6月まで放送した。

2015年5月、三洋物産から『パチスロ 魔法少女リリカルなのは』としてパチスロ化が発表された。

2016年7月、『魔法少女リリカルなのはViVid』の流れを組む新作アニメ『ViVid Strike!』が発表され、2016年10月から12月まで放送した。

2016年10月、『ViVid Strike!』第1話放送中に続報が途絶えていた劇場版第3作目が『魔法少女リリカルなのは Reflection』に改名しての製作が再度発表された[3]

2017年7月、劇場版第3作目『魔法少女リリカルなのは Reflection』が公開。放映後に後編となる劇場版第4作目『魔法少女リリカルなのは Detonation』が発表された[4]

2018年10月、劇場版第4作目『魔法少女リリカルなのは Detonation』が公開。

2020年1月、開催されたライブイベント『リリカル☆ライブ』にて『リリカルなのは新プロジェクト』の始動が発表されたが進展は一切なく、現状は定期的なグッズ販売イベントや他社ゲームへのコラボイベントを行っているのみである。


注釈

  1. ^ しかし、このことについて、『魔法少女リリカルなのはtype』の「都築真紀ロングインタビュー」では、「とらいあんぐるハート」のタイトルが出てきていない。
  2. ^ ユーノやアルフ、ザフィーラはデバイスを使用せずに魔法を行使している。
  3. ^ 事実、漫画版では、時空管理局・陸士訓練校の学長(元:戦技教導隊所属)であるファン・コラード三佐(『StrikerS』時)が、教官時代に『闇の書事件』の後に短期研修プログラムで入校したランクAAAのなのはとフェイトの二人がかりを、ランクAAにもかかわらずカートリッジも用いずに模擬戦で下すシーンがある。
  4. ^ アニメ版において、ほとんどのAIは英語を話すが、グラーフアイゼンなどベルカ式魔法をメインとするデバイスではドイツ語を話すことが多い。最近はキャラクターと共通の言語を話す機種も登場している。
  5. ^ 白兵戦能力を十分に持つバルディッシュでさえ、レヴァンティンにほとんど一方的に破壊された。
  6. ^ 劇場版では、魔法起動にキーワードが必要という設定はオミットされ、また封印は「高威力魔法による稼動停止」でも可能という事となり、封印以外の魔法発動の際にも「リリカルマジカル」という呪文は使用されていない。
  7. ^ 劇場版パンフレットの記述では「人機一体」。
  8. ^ レイジングハートはStS時点まで、自身の破損を問題として訴えた事が一度もない。この点では似たもの主従である。
  9. ^ 比較的A's時のバリアジャケットである「セイクリッドモード」に似ている。
  10. ^ Sir」は通常、男性の上官に対して使用する言葉。本来、女性に対しての場合は「Ma'am」である。しかしアメリカでは性別に関係なく肯定や否定を強調するために用いることもある。
  11. ^ シグナム/レヴァンティンとの再戦時の賛辞に対する返礼や、初代リインフォースとの別れのやりとりを見るに、無感情なわけではない。単に無口なだけ。
  12. ^ ただし公式サイトには「凶悪な程の威力を誇る」とある。
  13. ^ 片手剣の《ライオットブレード》と双剣の《ライオットザンバー》の2つのモードがあり、ライオットザンバーはライオットブレードの二刀流の《ライオットザンバー・スティンガー》、ライオットブレード二刀を合体させた超大型剣の《ライオットザンバー・カラミティ》に分けられる。
  14. ^ オートパーソナライズ機能といい、使用者の身体に合わせたサイズに変化すると同時に色彩も使用者が設定した色合いに変化するリボルバーナックルの機能。
  15. ^ 変身制御などとも言い、見た目は聖王モードと大差ない(セットアップすると変化する)。
  16. ^ パラレルワールドである『魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-』ではユーノ以前に司書長が存在したことが語られている。
  17. ^ フェイトは一尉扱い、ティアナは三尉扱い。基準は実績に基づくものと推察される。
  18. ^ 魔法戦記リリカルなのはForceネクスト Design11「ステラ×飛翔戦艇フッケバイン」より
  19. ^ 『Vivid』では末期の頃は聖王家を擁する親聖王派の国家連合とその聖王家に反発する国家連合の争いだったと語られている。
  20. ^ 第1期の制作記者会見の際、取材に来たのが同誌だけであったことがきっかけで、以来同誌との関係が強くなった。

出典

  1. ^ a b c 渡辺由美子「女性もハマる! 闘う魔法少女「魔法少女リリカルなのは」シリーズの魅力」『オトナアニメ』 vol.20、洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2011年5月9日、62-67頁。ISBN 978-4-86248-711-7 
  2. ^ 「魔法少女リリカルなのは特集」『メガミマガジン』通巻100号記念特大号、学習研究社、2008年7月30日。ASIN: B001CGHZYA
  3. ^ 魔法少女リリカルなのはシリーズ 公式サイト”. 2016年12月7日閲覧。
  4. ^ “『魔法少女リリカルなのは Detonation』、2018年の公開が決定”. マイナビニュース. (2017年7月22日). https://news.mynavi.jp/article/20170722-a064/ 2017年7月22日閲覧。 
  5. ^ “「魔法少女リリカルなのは Reflection」は2部作に 田村ゆかりらキャスト続投&スタッフ一新”. アニメハック(映画.com). (2016年11月30日). http://anime.eiga.com/news/103758/ 2017年7月24日閲覧。 
  6. ^ キネマ旬報』2018年3月下旬 映画業界決算特別号 p.32
  7. ^ “『魔法少女リリカルなのは Detonation』、2018年の公開が決定”. マイナビニュース (マイナビ). (2017年7月22日). http://news.mynavi.jp/news/2017/07/22/064/ 2017年7月25日閲覧。 
  8. ^ 『魔法少女リリカルなのは/魔法少女リリカルなのはA's ビジュアルファンブック』晋遊舎、2006年、88頁。
  9. ^ アニメディア』2012年8月号付録『魔法少女リリカルなのはGOD サウンドステージA』より
  10. ^ 「BOOK IN BOOK なのはStrikerS 都築真紀原案イラスト集(キャラクター編)」『メガミマガジン』2008年1月号、学習研究社、107頁。
  11. ^ A's第12話、『A's THE COMICS』135頁など。
  12. ^ -THE GEARS OF DESTINY-では、阿澄佳奈名義だが、アニメではローマ字表記となっている。
  13. ^ 『魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE-THE GEARS OF DESTINY- 公式攻略ガイドブック』学研パブリッシング、2012年、130頁。
  14. ^ 『A's』はMBS、『StrikerS』はテレビ東京系での放送の際にテレビ大阪でも放送


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