鬼ヶ島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/29 09:32 UTC 版)
モデルとして語られる伝説地
桃太郎の昔話が一般的に認知された結果、日本各地には「桃太郎のモデルとなった土地である」と語られている土地が多数あり、そこには各々「鬼ヶ島のモデル」とされる場所が見られる。モデルとされる地においては、必ずしも島(離島や河川の中州)などであるとは限らず、岡山県の例のように山が挙げられている例もある。これらの多くは、主として近代以後に郷土伝説の顕彰あるいは観光の目的で各地でクローズアップされたものであり[8]、桃太郎の昔話そのものは広く全国に存在するためどれが唯一特定のモデルであるかについては別の問題である。
- 可児川の中州(岐阜県)
- 木曽川中地域(愛知県・岐阜県)では、岐阜県可児市塩字中島の可児川(木曽川支流)にある中州が鬼ヶ島のモデルであるとしている。河川の中州であるが、約2000万年にこの付近に存在した火山の噴火で発生した火砕流でできた凝灰角礫岩でできた島である。かつて山賊の住処であったと推測されている。
- 鬼城山(岡山県)
- 岡山県総社市・岡山市では、総社市東部にある鬼ノ城という城が築かれた鬼城山という山が、鬼ヶ島のモデルとされている。温羅(うら)という大男の居城で、それを退治した吉備津彦を桃太郎のモデルとなった伝説であるとしている。同県は、桃太郎(=吉備津彦)が県のマスコット的な位置付けになっていることで知られる。
- ^ 関敬吾 『日本昔話大成』6巻 角川書店 1978年 253-272頁
- ^ 『新編 柳田國男集 第七巻』 筑摩書房 1978年 p.224. タロが太郎からきているとする
- ^ 『保元物語』「為朝鬼島渡事并最後事」に「昔は鬼なりしか今は末になりて」とある。
- ^ 御橋悳言 『詳註保元物語』 続群書類従完成会 1980年 358-359頁
- ^ 隠れ蓑は、近現代では昔話などを通じ天狗の持ち物というイメージがあるが、古くは鬼の所持している宝物としてしばしば描かれている。『宝物集』にも記載があり、これらの宝物は12世紀末にはよく登場する。
- ^ 打ち出の履とも。水面を浮いて歩くことができる履物と考えられている。
- ^ 新 日本古典文学大系 『保元物語』 岩波書店 脚注
- ^ a b 島津久基 『国民伝説類聚』 大岡山書店 1933年 180-181頁
- ^ 市古貞次 校注 『御伽草子』上巻 岩波書店<岩波文庫> 1985年
- ^ 関敬吾 『日本昔話大成』7巻 角川書店 1978年 335-340頁
- ^ 古川のり子 『昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学』 角川ソフィア文庫 2016年 p.40.
- ^ 古川のり子『昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学』角川ソフィア文庫 2016年 pp.40 - 41.
- ^ 香川県国立公園協会 『遊覧讃岐』 香川県国立公園協会 1934年 32-35頁
- 1 鬼ヶ島とは
- 2 鬼ヶ島の概要
- 3 モデルとして語られる伝説地
- 4 鬼ヶ島の登場する作品
- 5 脚注
鬼ヶ島と同じ種類の言葉
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