阿弥陀如来
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真言・陀羅尼
- 小咒は、オン・アミリタ・テイセイ・カラ・ウン[注釈 7](oṃ amṛta-teje hara hūṃ)。
- 大咒(無量寿如来根本陀羅尼)は、ノウボウ・アラタンノウトラヤーヤ・ノウマク・アリヤーミターバーヤ・タタギャタヤアラカテイ・サンミャクサンボダヤー・タニャタ・オン・アミリテイ・アミリトウドバンベイ・アミリタサンバンベイ・アミリタギャラベイ・アミリタシッテイ・アミリタテイセイ・アミリタビキランデイ・アミリタビキランダギャミネイ・アミリタギャギャノウキチキャレイ・アミリタドンドビソワレイ・サラバアラタサダニエイ・サラバキャラマキレイシャキシャヨウキャレイ・ソワカ。
- チベット伝承の「無量光仏心咒」は、オーン・アミターバ・フリーヒ(oṃ amitābha hrīḥ)[7]。
- またはオーン・アミデーヴァ・フリーヒ (oṃ amideva hrīḥ)[8]、ཨོཾ་ཨ་མི་དྷེ་ཝ་ཧྲཱིཿ
- チベット伝承の「無量寿仏心咒」は、オーン・アマーラニ・ジーヴァーンティーイェー・スヴァーハー(oṃ amāraṇi jīvāntīye svāhā)[7]。
曼荼羅
垂迹神
像形
三昧耶形は蓮の花(金剛界曼荼羅では開花した蓮華、胎蔵曼荼羅では開きかけた蓮華)。種子(種子字)は ह्रीः (キリーク、hrīḥ)。
造形化された時は、装身具を着けない質素な服装の如来形で、印相は定印、説法印、来迎印などがある(詳しくは印相を参照のこと)。
阿弥陀三尊として祀られるときは、脇侍に観音菩薩・勢至菩薩を配する。
密教においては、五仏(五智如来)の一如来として尊崇される。像容は一般的には上記の顕教のものと同じだが、一部には装身具を身につけたものもある。
密教式の阿弥陀如来のうち、紅玻璃色阿弥陀如来と呼ばれるものは髷を高く結い上げて宝冠を戴き体色が赤いのが特徴である。主に真言宗で伝承される。 また宝冠阿弥陀如来というものもあり、こちらは天台宗の常行三昧の本尊として祀られる。紅玻璃色阿弥陀如来と同じく宝冠などの装身具を身につけ、金剛法菩薩、金剛利菩薩、金剛因菩薩、金剛語菩薩の四菩薩を眷属とする。
日本における主な作例
- 国宝
- 中尊寺 「木造阿弥陀如来坐像」[9] - 金色堂堂内緒像のうち「木造阿弥陀如来及両脇侍像」3躯。
- 高徳院 「銅造阿弥陀如来坐像」[10] - 通称「鎌倉大仏」。
- 平等院 「木造阿弥陀如来坐像」(鳳凰堂安置)[11] - 定朝作
- 広隆寺 「木造阿弥陀如来坐像」(講堂安置)[12]
- 仁和寺 「木造阿弥陀如来像」[13](金堂安置)
- 法界寺 「木造阿弥陀如来坐像」(阿弥陀堂安置)[14]
- 三千院 「木造阿弥陀如来坐像」(往生極楽院阿弥陀堂安置)[15]
- 清凉寺 「木造阿弥陀如来坐像」(棲霞寺旧本尊)[16]
- 浄瑠璃寺 「木造阿弥陀如来坐像」(本堂安置)[17] - 「九体阿弥陀如来像」
- 法隆寺 「銅造阿弥陀如来及両脇侍像」(伝橘夫人念持仏)[18]
- 浄土寺 「木造阿弥陀如来立像」(浄土堂安置)[19] - 快慶作
- 願成就院 「木造阿弥陀如来坐像」(大御堂安置)[20] - 運慶作
- 「絹本著色山越阿弥陀図」(永観堂禅林寺所蔵)[21]
- 「絹本著色山越阿弥陀図」(京都国立博物館所蔵)[22]
- 「絹本著色阿弥陀二十五菩薩来迎図」(知恩院所蔵)[23]
-
銅造阿弥陀如来坐像
(高徳院・鎌倉大仏) -
木造阿弥陀如来坐像
(平等院・鳳凰堂) -
木造阿弥陀如来坐像
(広隆寺・講堂) -
木造阿弥陀如来坐像
(法界寺・阿弥陀堂) -
木造阿弥陀如来坐像
(三千院・往生極楽院) -
銅造阿弥陀如来及両脇侍像
(伝橘夫人念持仏)
(法隆寺) -
絹本著色山越阿弥陀図
(京都国立博物館) -
絹本著色阿弥陀二十五菩薩来迎図
(京都国立博物館) -
阿弥陀如来像(阿弥陀三尊及童子像のうち)奈良・法華寺
日本語への影響
鎌倉時代以降、日本では浄土教の隆盛を受けて、阿弥陀如来に関連した単語や言い回しが登場するようになる。
- 十八番(おはこ)
- 前述のとおり、浄土教において四十八願のうち第十八願を本願として重要視することから、もっとも得意なことを指す。(市川家の家の芸歌舞伎十八番の台本を箱入りで保存したことからとする説もある)
- あみだくじ
- あみだくじの形は元々線を中心から周りに放射状に引いたものであり、それが阿弥陀如来像の光背に似ていたことから[24]。
- あみだ被り
- 帽子やヘルメットを後頭部にひっかけるように浅く被ること。上記と同じく見た目が光背に似ていることから。
- 他力本願
- 前述のとおり努力しないことや無責任であることを表現するのに使われるが、本来の意味を誤解・誤用した語である。
注釈
- ^ 五劫思惟(ごこうしい)…「五劫」とは、無限に近い、非常に長い期間のこと。思惟とは、「作是思惟」とは、心を集中し、物事の道筋を立てて深く願が進むこと。
- ^ 生まれる方法…浄土教諸宗各々で、「浄土三部経」の解釈が異なるため、このことに関しての詳細は省略する。それぞれの宗旨・宗派のページを参照。
- ^ 阿弥陀如来の本願力…阿弥陀如来のはたらき。
- ^ 「自力」とは、「自己に備わった能力」をいう。「仏・菩薩などのはたらきを意味」する「他力」に対する[3]。
- ^ ここでの「他力」は、阿弥陀仏の本願力(はたらき)のこと。
- ^ 阿弥陀仏を念ずることによる精神統一。
- ^ 新義真言宗等一部宗派では『オン・アミリタ・テイゼイ・カラ・ウン』と読む
出典
- ^ a b 「阿弥陀仏」 - 日本大百科全書(ニッポニカ)
- ^ 『うちのお寺は浄土宗』2015年、双葉文庫、14ページ。
- ^ 『岩波仏教辞典』岩波書店、2002年、560頁より引用。
- ^ 聖教電子化研究会 仏説無量寿経巻上 p.30聖教電子化研究会 仏説無量寿経巻上 p.158聖教電子化研究会 仏説無量寿経巻上 p.323
- ^ 中村玲太「法然門流における弥陀法身/報身説の検討」『現代と親鸞』第30巻、真宗大谷派 親鸞仏教センター、2015年、19-22頁、doi:10.24694/shinran.30.0_2、ISSN 1347-4316。
- ^ 筑波大学教授の平山朝治は、阿弥陀信仰の成立にはキリスト教のインド西漸の影響があり、阿弥陀という名の由来を聖トマスの遺骨がある都市「アミダ(Amida)」に求めている(平山朝治「大乗仏教の誕生とキリスト教」、『筑波大学経済学論集』第57号 (2007年3月)p.155)
- ^ a b 阿彌陀佛心咒及祈請文 - 侯松蔚
- ^ Buddha Amitabha mantra and seed syllable in Siddham and Tibetan - including Amitayus mantra, the Shingon Amitabha Mantra, and the Nembutsu. (Jayarava ATTWOOD)
- ^ 金色堂堂内諸像及天蓋 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 銅造阿弥陀如来坐像 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 木造阿弥陀如来坐像〈定朝作/(鳳凰堂安置)〉 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 木造阿弥陀如来坐像(講堂安置) - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 木造阿弥陀如来及両脇侍像(金堂安置) - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 木造阿弥陀如来坐像(阿弥陀堂安置) - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 木造阿弥陀如来及両脇侍坐像(往生極楽院阿弥陀堂安置) - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 木造阿弥陀如来及両脇侍坐像(棲霞寺旧本尊) - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 木造阿弥陀如来坐像(本堂安置) - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 銅造阿弥陀如来及両脇侍像(伝橘夫人念持仏) - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 木造阿弥陀如来及両脇侍立像(浄土堂安置) - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 木造阿弥陀如来坐像 他 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 絹本著色山越阿弥陀図 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 絹本著色山越阿弥陀図 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 絹本著色阿弥陀二十五菩薩来迎図〈/(早来迎)〉 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 宇津野善晃 『よくわかる仏像の見方』 JTB
阿弥陀如来と同じ種類の言葉
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