酢酸はカルボン酸として一般的な反応性を示す。たとえば硫酸を触媒としてアルコールと共に加熱すると酢酸エステルが生成する。これはフィッシャーエステル合成反応と呼ばれる方法である。可逆反応(平衡反応)であるため、エステル生成物を効率よく得るには出発物質を過剰に使用する必要があり、イソペンチルアルコールとの反応による酢酸イソペンチルの合成では、過剰量の酢酸が用いられる[55]。
酢酸はカルボン酸として一般的な反応性を示す。たとえば硫酸を触媒としてアルコールと共に加熱すると酢酸エステルが生成する。これはフィッシャーエステル合成反応と呼ばれる方法である。可逆反応(平衡反応)であるため、エステル生成物を効率よく得るには出発物質を過剰に使用する必要があり、イソペンチルアルコールとの反応による酢酸イソペンチルの合成では、過剰量の酢酸が用いられる[55]。
炭酸アンモニウムと混合して加熱すると、酢酸アンモニウムの生成と脱水を経てアセトアミドが得られる。この反応は蒸留によって酢酸を除きながら行い、さらに沸点のより高い残渣を引き続いて蒸留し、純粋な目的物を得る[57]。アンモニアを使っても同様な反応が起きる[57]。
加熱により2分子間で脱水縮合を起こし、無水酢酸を与える。環状の酸無水物を生成する場合を除き、このような反応はほかのカルボン酸では起こらない[59]。
日光を当てながら酢酸と塩素を反応させると、水素原子と塩素原子が交換したクロロ酢酸が生成する[62]。この反応はラジカルの発生を含む機構で進行し、ジクロロ酢酸やトリクロロ酢酸が副生成物となるが、触媒の使用によりそれらの生成を抑えることもできる[63]。
同様にして臭素とリン触媒を使って酢酸からブロモ酢酸を作ることができる[64]。この合成法はヘル・ボルハルト・ゼリンスキー反応と呼ばれる。
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