自動警戒管制組織
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/23 19:40 UTC 版)
JADGE
BADGE改システムでは指揮統制機能(CCIS)と通信回線統制機能(LCCM)の統合が図られたものの、その後のC4Iシステムの拡充に伴い、CCISは航空総隊指揮システム、またLCCMは作戦用通信回線統制システム(TNCS)として、それぞれ切り離して整備されるようになっていた。このことから、航空警戒管制機能(ADGE)に絞って近代化・機能充実を図ったのが新BADGEシステムである「自動警戒管制システム(JADGE)」である[1]。研究開発は2002年より開始され、2007年3月20日に入間基地に配備されたのを皮切りに、各基地等の機器の更新が順次行われ、2009年7月1日に正式に運用を開始した[7]。
JADGEとしての主な改修点は下記のとおりである。
- 分散処理アーキテクチャの採用。
- 地上回線の強化:作戦用通信回線統制システム(TNCS)の整備。
- 他システムとの互換性強化:防衛省コンピュータ・システム共通運用基盤(Common Operating Environment:略称COE)と防衛情報通信基盤(Defense Information Infrastructure:略称DII)の採用。これにより、同級システムである海上自衛隊の海上作戦部隊指揮管制支援システム(Maritime Operation Force System:略称MOFシステム)や陸上自衛隊の師団通信システム(Division Integrated Communications System:略称DICS)との相互運用性が飛躍的に向上している。
また、JADGEは、ミサイル防衛作戦において、3自衛隊の共通指揮システムとして運用されることとなっている。管制施設の特徴として従来はプロジェクター等の使用により管制室を暗くする必要があったが、液晶ディスプレイ等の採用により通常の屋内と同程度の明るさになった。これにより管制業務を行う隊員の視覚への負担が緩和された。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 宮脇俊幸「将来のネットワーク型戦闘に向け能力向上「自動警戒管制システム(JADGE)」 - 中国戦闘機大接近!空自指揮統制の要」『軍事研究』第49巻第7号、ジャパン・ミリタリー・レビュー、2014年7月、71-83頁、NAID 40020120001。
- ^ a b c d 日本科学史学会 編「資料11-9 自動警戒管制組織TAWCS (BADGE)」『日本科学技術史大系 (電気技術)』 19巻、第一法規出版、1969年3月。 NCID BN01591768。
- ^ a b Commander-in-Chief U.S. Pacific Command (1967年6月3日). “CINCPAC Command History 1966 (Volume I) promulgation of (U)” (PDF) (英語). 2014年11月15日閲覧。
- ^ 「Industry International」『Flight International』、Melanie Robson、1963年8月8日、222頁。
- ^ J.P. Gillen「Japanese data link」『RCA Engineer』第20巻第3号、RCA Research and Engineering、1974年11月、55-59頁。
- ^ a b 菊池征男『航空自衛隊の戦力』学研パブリッシング、2007年。ISBN 9784059117087。
- ^ 自動警戒管制システム(JADGE)の運用開始について 航空自衛隊 2009年7月1日
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