演劇集団キャラメルボックス 概要

演劇集団キャラメルボックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/25 03:27 UTC 版)

概要

脚本・演出

脚本・演出は、劇団創立から成井豊が担当している[2]1993年(平成5年)から創立メンバーである真柴あずきも脚本を執筆するようになり、後に成井と真柴が協働するのが主流となっていた[2][4]。海外作品は翻訳のまま使わず、成井と真柴が新たに書き上げた脚本をオリジナルとして上演する。また、成井が宮沢賢治宮崎駿の影響を受けているため、純粋な悪役はほとんど登場しない。 なお、本公演外では成井と真柴が関わらない作品があった。チャレンジ公演では恩田陸が原作・脚本。新人公演では、他劇団所属の高橋いさを(劇団ショーマ所属)・土田英生(MONO所属)が脚本を担当していた。 このほか、高等学校における文化祭等での上演も多い。劇団側は演劇振興のため、成井原作・原作者側が許可した舞台台本論創社から出版し、上演許可願制にしていた。

音楽

劇中の音楽は、製作総指揮の加藤昌史が選曲していた。初期は洋楽が使用される事が多かったが後にオリジナルサウンドトラックに絞り、ZABADAKや加藤と親交の深い石田ショーキチの楽曲が多く使われていた。the brilliant greenインディーズ時代の楽曲が使用されたこともあった。1997年の『あなたが地球にいた頃』には、男性フォークデュオ・TWO of USの楽曲「Wish」を採用した経緯から、長井勝による楽曲提供も受けている。 既存曲を多用しながら、SEKAI NO OWARIandropなどのメジャーからインディーズまで幅広いバンド、様々なミュージシャンの曲を起用していた。 また、公演ごとに自社レーベルでミュージシャン側が収録許可した使用曲は、サウンドトラックとしてCD化、デジタル配信していた。

前説

上演中に鳴動する携帯電話の着信音やたまごっちなどによる騒音トラブルが問題化した際、毎回公演前の前説にて製作総指揮の加藤昌史(「前説五郎」と自称)が登場し、爆笑トークを交えながら観劇マナーをアピールした。なお、アピールにあたっては、「携帯の電源を切りましょう」というメッセージをその時々の流行物をパロディにした歌「携帯電話チェックタイムのテーマ」を作成した。後にそれを劇団員が受け継ぎ、ダブルキャストで出演する側でないキャスト達が歌うなど様々に形を変えていった。以降は加藤と新人劇団員が登場して、注意を呼び掛けていた。

アクション

時代劇の殺陣はフリー殺陣師佐藤雅樹指導のもと、「本当に人を斬ることのできる殺陣」を目指していた。また、アクションクラブの武田浩二が指導する事もある。 時代劇以外の舞台ではOPと劇中にダンスシーンがあり、その多くを川崎悦子が担当していた[16]。また、劇団員の大内厚雄が担当する事もあった。


  1. ^ a b c TSR速報 (株)ネビュラプロジェクト東京商工リサーチ 2019年6月25日
  2. ^ a b c d e f 加藤昌史. “劇団について”. キャラメルボックス. 2021年6月27日閲覧。
  3. ^ ぴあポイント体験記|キャラメルボックス体験レポート”. 2020年8月11日閲覧。
  4. ^ a b c 林尚之 (2017年7月15日). “悲しみではなく幸せの涙、キャラメルボックスの舞台”. 日刊スポーツ. 2017年7月18日閲覧。
  5. ^ “俳優の上川隆也氏が所属していた劇団、運営会社が破産へ”. 帝国データバンク. (2019年6月4日). https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190604-00010000-teikokudb-bus_all 
  6. ^ a b c “データを読む 「演劇集団キャラメルボックス」、観客動員数の落ち込みで破産を決意”. 東京商工リサーチ. (2019年6月27日). http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20190627_05.html 
  7. ^ DMM.comでキャラメルボックスの公演映像が配信開始”. シアターガイド (2015年11月20日). 2015年11月25日閲覧。
  8. ^ a b “データを読む キャラメルボックス、給与未払いでも舞台に立ち続けていた”. 東京商工リサーチ. (2019年7月1日). http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20190701_01.html 
  9. ^ “キャラメルボックスが活動休止を発表”. ステージナタリー. (2019年5月31日). https://natalie.mu/stage/news/333800 
  10. ^ “TSR速報 (株)ネビュラプロジェクト”. 東京商工リサーチ. (2019年6月4日). http://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20190604_01.html 
  11. ^ “データを読む 「演劇集団キャラメルボックス」、関連会社2社も破産”. 東京商工リサーチ. (2019年6月27日). http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20190627_03.html 
  12. ^ a b “元・演劇集団キャラメルボックス製作総指揮・加藤昌史がラーメングループ「ムタヒロ」の運営会社で再出発”. エンタメ特化型情報メディア スパイス. (2020年4月1日). https://spice.eplus.jp/articles/267085 
  13. ^ “【自己破産】破産者 株式会社ネビュラプロジェクト”. 自己破産・特別清算・再生データベース. (2019年10月7日). https://hasandb.com/20191007-%e6%a0%aa%e5%bc%8f%e4%bc%9a%e7%a4%be%e3%83%8d%e3%83%93%e3%83%a5%e3%83%a9%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b8%e3%82%a7%e3%82%af%e3%83%88/ 
  14. ^ 株式会社ネビュラプロジェクト”. 国税庁法人番号公表サイト. 2020年8月11日閲覧。
  15. ^ “成井豊、新活動拠点「成井硝子店」を設立「ガラスのように美しい芝居を作ることが目標」”. エンタステージ. (2020年1月6日). https://enterstage.jp/news/2020/01/013847.html 
  16. ^ 川崎悦子”. BEATNIK STUDIO. 2015年11月18日閲覧。
  17. ^ 文藝春秋『別冊文藝春秋 2011年11月発行第302号』文藝春秋、2012年11月1日発行、99 - 103頁より引用
  18. ^ サンシャイン劇場35周年記念公演キャラメルボックス2013スプリングツアー『ナミヤ雑貨店の奇蹟』”. 演劇集団キャラメルボックス. 2013年2月5日閲覧。
  19. ^ キャラメルボックス2018サマーツアー『エンジェルボール』”. 演劇集団キャラメルボックス. 2018年7月5日閲覧。
  20. ^ 続編の公演が予定されていたが、2019年5月31日の劇団活動休止に伴い延期となった。
  21. ^ 演劇集団キャラメルボックス2017年スプリングツアー『鍵泥棒のメソッド』”. 演劇集団キャラメルボックス. 2016年11月24日閲覧。
  22. ^ 西川浩幸プロフィール”. 演劇集団キャラメルボックス. 2012年9月20日閲覧。
  23. ^ 人気劇団キャラメルボックス、活動再開へ”. 産経ニュース (2021年6月3日). 2021年6月4日閲覧。
  24. ^ キャラメルボックス・サポーターズ・クラブの皆様へ重要なお知らせキャラメルボックス・サポーターズ・クラブ運営事務局
  25. ^ キャラメルボックス・オーナーズ・クラブ”. 演劇集団キャラメルボックス. 2015年5月20日閲覧。
  26. ^ キャラメルボックス・アンバサダー公式ページ
  27. ^ キャラメルボックスチャンネルinニコニコ動画”. ニコニコ動画. 2015年11月18日閲覧。
  28. ^ 放送局側の方針変更が理由で、その経緯は加藤昌史のブログやホームページにて説明された。






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