東北大学百周年記念会館
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/02 14:13 UTC 版)
概要
1907年(明治40年)6月22日創立の東北大学が、川内南キャンパス(旧仙台城二の丸)内に創立50周年を記念して1960年(昭和35年)10月30日に開館させた「東北大学記念講堂及び松下会館」を、2007年(平成19年)の創立100周年を記念して全面改装し設置した。総工費は約16億円[2]。「東北大学記念講堂及び松下会館」は、5階建ての東北大学記念講堂(本館。通称:川内記念講堂)と、2階建ての別館(松下会館)が2棟連結した施設であったが、今回の改装に伴い両者を一体的な施設とみなして「東北大学百周年記念会館」(愛称:川内萩ホール)に名称変更した。また、国立大学法人化に伴い、市民の利用を意識した改装を行っている。
川内記念講堂は、創立50周年の際に建設された座席数1,900席余りの学内最大の講堂であり、県内有数の収容能力のあるホールでもあった。これを、世界水準の音響を実現し、かつ、国際学会機能を備えるよう改装を行い、アカデミックホールとした。まず音響を優先し、ホールの横幅を削減して、世界有数のオーケストラの一つとして広く知られるロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の本拠地であるアムステルダムのコンセルトヘボウなどで見られるシューボックス型に変更した[1]。また、大編成オーケストラあるいは合唱付きオーケストラ編成が可能なようステージも大幅に拡大した[1]。さらに、客席にも大きめの座席を導入するなどした[1]。これらにより、座席数は1,230席+車椅子用スペース5台分に減少した。ホール付随の控室(楽屋)として大中小あわせて6室(1階に4室、2階舞台袖に2室)が利用可能。国際学会機能については、6か国語同時通訳ブースや大型スクリーンなどを設置した。ホールの出入口部分には展示ギャラリーも設置され、東北大学の所蔵史料や最先端の研究成果などが展示されている。
松下会館は、松下幸之助の寄付により創立50周年の際に建設された。改装にあたって川内萩ホールの付帯施設と見なされることになり、会議室(1~3室の間仕切りなしシアター形式で150席)、応接室、ファカルティクラブ、会館事務室が設置された。2015年(平成27年)3月1日にはファカルティクラブに「Cafe Mozart Klee's coffee」が開店した。
当館の隣接地には、6か国語同時通訳ブース付きの1,000席の大ホールを備えた仙台国際センター(北緯38度15分31.6秒 東経140度51分27.5秒、受け入れ可能なコンベンション参加者数:約6,000人)があり、当館周辺は仙台市のコンベンション地区となっている[3][4][5][6]。また、江戸時代に一般諸士の仙台城二の丸登城に用いられた扇坂の跡地に、当館と同センターおよび仙台市地下鉄東西線・国際センター駅との間の近道となる階段(北緯38度15分32.2秒 東経140度51分20.4秒 / 北緯38.258944度 東経140.855667度)が新設され、同センターでの第3回国連防災世界会議(2015年3月14日~18日)の開催を前にして供用開始された[7]。
- ^ a b c d e “東北大学百周年記念会館 川内萩ホールについて”. 東北大学. 2015年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月20日閲覧。
- ^ 東北大の新ホールで安藤忠雄さん講演会-定員を超える1,500人来場(仙台経済新聞 2008年11月8日)
- ^ 地下鉄東西線(仮称)国際センター駅周辺整備に関する懇話会(仙台市)
- ^ 仙台商高跡に展示施設 地下鉄東西線で整備中間案(河北新報 2011年11月23日)
- ^ 地下鉄東西線「国際センター駅」整備案への意見公募 仙台市(河北新報 2011年12月3日)
- ^ <国連防災会議> 2500人収容展示棟完成(河北新報 2015年1月29日)
- ^ <国連防災会議> 主会場-東北大を遊歩道結ぶ(河北新報 2015年3月11日)
- ^ 川内萩ホール開館1周年 抜群の音響効果、仙台圏で存在感(河北新報 2009年10月6日)
- ^ 駐車場案内(仙台国際センター)
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