情報倫理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/05 08:02 UTC 版)
情報倫理の統制
法律による統制
情報倫理自体に成文法は存在しないが、情報社会の秩序の維持を遵守するために、法律が制定される。情報倫理の考えから派生した法律は、不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)、著作権、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)、行政個人情報、情報公開、刑法の電子計算機損壊等業務妨害罪及び電子計算機使用詐欺罪、知的財産権の保護といった、多岐の分野に反映されている。 尚、倫理的法律では、プライバシーの侵害、知的所有権の侵害がある。
情報倫理教育
情報倫理教育では、道徳と倫理学という、それ自体の表現が困難なため、社会における外観的規範である習俗に置き換えて教育する傾向が強い、インターネットを手段として情報を扱う上での習俗としてのネチケットや統制として各種法律の遵守が代表例としてあげられる。法律や習俗は、情報技術や慣習が変化すれば順応する性質がある。道徳や倫理の本質は、法律及び習俗の外観定義を超越するものであるが、情報を扱う上での社会形成の手段として、情報倫理の遵守を教育に反映する考え方が一般的であり、法律及び習俗を手段とした教育は、情報倫理の理解に貢献している。
情報倫理の社会的取組
情報処理学会では、1996年5月20日の第38回通常総会にて「情報処理学会倫理綱領」を制定し行動規範として組織活動を展開している。現在、コンピュータソフトウェア著作権協会 (ACCS) が、情報倫理への取組みでとても注目されている。 今後も高度化する情報関係においては、ネットワーク上でのエチケット、マナーなどに加え、著作権法を始めとする関連法律などに違反しないような情報倫理教育の徹底が求められており、私たちの良識ある認識・姿勢が、今後の高度情報社会を成立させていくものといえる。
参考文献
- 田代光輝/服部哲共著 『情報倫理 ―ネットの炎上予防と対策―』 共立出版、2013年11月22日。ISBN 4320123387
- 静谷啓樹 『情報倫理ケーススタディ』、サイエンス社、2008年、ISBN 9784781911984。
- 星野英一 『法学入門』 有斐閣、2010年、ISBN 9784641125377。
- 野矢茂樹 『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』 筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2006年4月、ISBN 4480089810。
- 佐々木健一 『美学への招待』 中公新書、2004年、ISBN 4121017412。
- ^ 西垣通/竹之内禎編『情報倫理の思想』、NTT出版、2007年、ISBN 4757102151。
- ^ 竹之内禎/河島茂生編『情報倫理の挑戦』、学文社、2015年、ISBN 476202550X。
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