安達が原
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/03 01:40 UTC 版)
黒塚との比較
もともとの黒塚伝説と本作を比較すると、物語の骨格には手塚による脚色が認められる。最も大きく異なるのは、再会を果たす人物(の片方)が異なる点である。
黒塚の伝説 手塚治虫『安達が原』 再会 鬼婆岩手とその娘 アンニーとユーケイ 人肉食 胎児の生き胆の薬効のため 生き永らえるため 鬼婆の最期 祐慶の唱えた経が雷鳴を
呼び、雷に打たれて絶命ユーケイにヒートガン
で撃たれて絶命
黒塚伝説では鬼婆と再会するのは鬼婆の実娘だが、本作には実娘に相当する人物は登場せず、かわりにユーケイが鬼婆と再会する筋になっている。したがってアンニーとユーケイの過去を振り返る回想は原典には無い手塚の創作であり、さらに物語の最終盤の、アンニーが作り残した手料理をユーケイが口にするシーンも手塚による創作である。
単行本
- ベストコミック『ライオンブックス』第1集(虫プロ商事、1973年)
- 講談社手塚治虫漫画全集 MT61『ライオンブックス』第1巻(講談社、1977年、ISBN 978-4061086616)
- 集英社文庫『手塚治虫名作集3 百物語』(集英社、1995年、ISBN 4-08-748291-X)
- Big comics special『ビッグ作家 究極の短編集 手塚治虫』(小学館、1997年、ISBN 978-4091838810)
- 収録作品:
- 「安達が原」
- 「苦情銀行」
- 「ドオベルマン」
- 「すっぽん物語」
- 「0次元の丘」
- 「という手紙がきた]」
- 「雨のコンダクター」
- 「クレーターの男」
- 講談社漫画文庫『手塚治虫恐怖短編集 7 千年の孤独編』(講談社、2003年、ISBN 978-4063604566)
- もうひとりのアトム ベスト・オブ手塚治虫 (SHUEISHA JUMP REMIX)ムック(集英社、2003年、ISBN 978-4-08-106386-4(4-08-106386-9))
アニメ
本作は手塚の死後、1991年にアニメ化されている。本編25分の短編で、1991年11月16日に単館公開された後、1997年にVHSで発売された(『緑の猫』と『るんは風の中』を併録、ASIN B00005H583)。2003年にはDVD版も発売されている(『悪右衛門』併録、ASIN B00008CH5C)。
アニメ版のユーケイは原作版に比べやや大人びたキャラクターに変更されている。これは監督・絵コンテ・原画を担当した坂口尚の手によるもの。なお、坂口は1995年に急死したため、結果的に本作が生前最後に手掛けたアニメ作品となった。
キャスト
スタッフ
- 原作 - 手塚治虫
- 監督・キャラクターデザイン・絵コンテ・原画 - 坂口尚
- 企画 - 松谷孝征
- プロデューサー - 清水義裕、久保田稔
- 音楽 - 小六禮次郎
- 編集 - 森田清次
- 制作 - 手塚プロダクション
固有名詞の分類
OVA |
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