平兼盛の短歌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 14:35 UTC 版)
平安時代、三十六歌仙の1人である平兼盛が以下のように詠んでいる(『拾遺和歌集』巻九・雑下)。 名取郡黒塚に重之が妹あまたありと聞きつけていひつかしける 陸奥(みちのく)の安達が原の黒塚に鬼籠もれりと言ふはまことか これは黒塚に住む三十六歌仙の1人、源重之の姉妹たちに対して兼盛が送った恋歌である。姉妹たちを「鬼」とたとえたのは、辺境の陸奥に住む娘たちを深窓の令嬢と推測し、隠れて姿を現さない「鬼」を掛けた洒落の一種である。 兼盛の時代以前より黒塚の鬼婆伝説が存在し、兼盛はそれを下敷きとしてこの歌を作ったといわれるが、逆に歌の方が伝説より先に存在し、この歌が後に文字通りの意味に解釈され、黒塚に鬼婆が住むという伝説が生まれたという説もある。
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