ワンダーボーイ (ゲーム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/12 01:21 UTC 版)
ジャンル | 横スクロールアクション |
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対応機種 |
アーケード (AC) 対応機種一覧
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開発元 | エスケイプ |
発売元 | セガ |
デザイナー | 西澤龍一 |
音楽 | 西澤龍一 |
シリーズ | ワンダーボーイシリーズ |
人数 | 1 - 2人(交互プレイ) |
メディア |
業務用基板 (168.25キロバイト) |
稼働時期 |
1986年3月3日 1986年6月 1986年7月 |
デバイス |
2方向レバー 2ボタン |
システム基板 | セガ・システム1[1] |
CPU | Z80 (@ 4 MHz)×3 |
サウンド |
Z80 (@ 4 MHz) SN76489A (@ 2 MHz) SN76489A (@ 4 MHz) |
ディスプレイ |
ラスタースキャン 横モニター 256×224ピクセル 60.00Hz パレット1536色 |
セガの1980年代作品としては、家庭用ゲーム機へ移植される機会が比較的多い。さらに、本作をベースにキャラクターを変更した『高橋名人の冒険島』としてファミリーコンピュータとMSXにも移植され、ハドソンから発売された。
概要
プレイヤーは主人公のボーイを操作し、悪玉のボスキャラ・キングにさらわれた恋人のティナの救出を目指す。
シンプルな操作方法とゲームシステムを持つアクションゲームで、見た目は簡単そうだが、ジャンプの着地点に迫ってくる敵キャラクターや、ジャンプによってギリギリ届く雲が乗った瞬間に落下するなど、敵の配置やギミックなどにより高い難易度となっている[2]。
本作の開発は、テーカンより独立したスタッフによって設立されたゲーム会社のエスケイプが行い、ゲームデザインおよび音楽は『忍者くん 魔城の冒険』(1984年)を手掛けた西澤龍一が担当している。
続編として『ワンダーボーイ モンスターランド』(1987年)が稼働され、以後『モンスターワールドシリーズ』としてシリーズ化された。本作はそのシリーズや、『高橋名人の冒険島』の源流となっている。
ゲーム内容
横スクロール型のアクションゲーム。全32面で、8エリア×4ラウンドで構成される。
2方向レバーと、「アタック・スピード」と「ジャンプ」の2ボタンで主人公のボーイを操作する[3]。レバーでボーイが左右に移動し、「アタック・スピード」ボタンを押していると早く走ることができる。
着地している状態で「ジャンプ」ボタンを押すとボーイがジャンプする。ジャンプ中でも前後移動が可能。ジャンプの高さはボタンを押す長さでは変化しない。「アタック・スピード」ボタンを押しながらか、レバーで移動しながらだと「大ジャンプ」、どちらでもないか、スケボー(後述)に乗った状態でレバーを左に入れて減速している場合は「小ジャンプ」になる。
画面上部にはエネルギー(ゲーム中ではVITALITYと表記)がゲージで表示されている。エネルギーは時間の経過とともに減少し、空中に出現するフルーツや野菜のフードアイテムを取得すると回復する[2]。岩などの障害物につまずくか、スケボーを失うことでもエネルギーは減少する。
ボーイが敵や障害物(つまづくだけのものを除く)と接触するか、画面下に落下するか、エネルギーがなくなるかのいずれかでボーイがやられてミスとなり、残数を1つ失う。残数がなくなるか、最終エリアをクリアするとゲームオーバー。1ラウンド中には中間地点が3つ(「2」~「4」と書かれた看板)があり、そこを通過してからミスすると、再スタートは最後に通過した看板の位置からになる。
道中はタマゴが落ちている。体当たりかオノ2回で割るとアイテムが出現し、さまざまな効果が得られる(後述)。
各エリアは海岸、洞窟、森、ボスの4つのラウンド構成となっており、各エリアの最後にはボスの「キング」が登場しボーイと対決する[3]。各エリアのボスはティナの落とし物を持っており、それを奪還することでエリアクリアとなる[3]。後半エリアは敵や行く手を阻む仕掛けが巧妙に配置されていたり、最終エリア8には条件を満たさないと進めなかったりなど、難易度が高くなっていく。
道中で出現するアイテムのドール(DOLL)を取るとラウンドクリア時のボーナス得点が2倍になる。さらに、すべてのエリアでDOLLを取得してエリア7をクリアすることが、エリア8の出現条件となる[3]。DOLLは低次面では比較的発見しやすい場所にあるが、高次面では敵や障害物に体当たりしないと出ないなど、発見しづらくなっている[3]。道中でDOLLを1つでも取りこぼしていた場合はエリア7が最終面となり、クリアするとエリア8のクリア時と同じエンディングが流れゲームが終了する。
アイテム
以下のアイテムはタマゴから出現する。
- オノ
- 「アタック・スピード」ボタンでオノ(石斧)を2連射まで投げて、敵を倒せるようになる[3]。ミスするまで有効。
- スケボー
- スケボーに乗ることができ、1度だけ敵や障害物に接触に耐えられる(その際はつまづいて、スケボーと少しのエネルギーを失う)。かわりに強制的に前進し、レバー操作は加速と減速になって、静止や後退ができなくなる。速度に慣性はなく、レバー方向により即座に3段階で速度が変わる。スケボーに乗ったままクリアすると次のラウンドに引き継げるが、ラウンド4のボスの前に到達すると、強制的につまづいてスケボーは消滅する。
- ミルク
- エネルギーが10目盛り回復する[3]。スケボーに乗った状態でスケボーが入っているタマゴを割るとこれが出現する。
- ビッグミルク
- エネルギーが全快する。全快または1目盛りだけ少ない状態で取得すると、エネルギー回復のかわりに1万点のボーナス。
- キノコ
- そのラウンド中、フードアイテムがアイス、ケーキ、プリン、ハンバーガーに変化し、取得したときの得点が50~200点から一律500点に、ポテトの得点も2倍になる[3]。
- 天使
- 出現するとボーイが一定時間無敵になり、敵や障害物を体当たりで倒せるようになる[3]。1度の無敵中に多くの敵や障害物を倒すと、その1回あたりの得点が50点から10000点まで増加していく。
- 死神
- まだら模様の「毒卵」を壊すと出現。出現すると一定時間取りつかれ、その間はBGMが遅くなってエネルギーの消耗が早くなる。天使による無敵中に出現すると、即座に消滅して1万点のボーナス得点。取りつかれている間にさらに死神が出現しても時間は延長されない。取りつかれている間にゴールすると5千点のボーナス得点。
以下のアイテムはタマゴ以外から出現する。
- ドール
- 各ラウンドに1つずつ配置されている。取得するとクリア時の残りエネルギーボーナスが2倍になる。低次面ではわかりやすい場所にすぐ出現するが、高次面では隠されており、特定の敵や障害物を倒さずに体当たりすることで出現する。すべてを取得したうえでエリア7をクリアすると、エリア8に到達できる。最終エリアのクリア時は、取得したドール✕1万点のボーナスが得られる。
- ハイビスカス
- ドールを取得したあとミスして戻され、再びドールの出現条件を満たすと代わりに出現する。取得すると500点。
- E・S・Cパネル
- 各ラウンドに1枚ずつ隠されており、その箇所にオノを当てるかジャンプで出現する。最初は「E」が出現し、次の出現では「S」、その次は「C」が出現する。取得するとボーナス点。出現順はゲームオーバー後の次のプレイにも引き継がれ、2人交互プレイ時は双方のプレイヤーで共有される。「ESC」は開発会社の社名「ESCAPE」に由来している。
- 1UP
- 「C」のパネルの次に、パネルの出現箇所から出現する。取得するとボーイの残数が1増える。出現させると、次のパネル出現は「E」に戻る。
- マルイのカード
- 後ろから走って迫ってくる敵「コヨーテ」を飛び越して、ボーイの右側にいるときに倒すと出現する。取得するとエネルギーが5目盛り回復する。
- ポテト
- 特定の地点に隠されており、ジャンプすると出現する。取得するとエネルギーが5目盛り回復するほか、得点が500点(キノコ取得後は1000点)と他のフードアイテムより高い。
- ティナの落とし物
- エリア1~7のボスを倒すと出現。取得しても0点だが、そのラウンドのクリアに必要。取得せずにゴールに行こうとすると、本来は上昇するゴール高台前の床が落ちてしまってクリア不可能となり、その下の穴に落ちてミスするしかなくなる。
- ^ “SEGA AGES 2500 シリーズ Vol.29 モンスターワールド コンプリートコレクション”. セガ. 2011年11月13日閲覧。
- ^ a b c d e 「1986年 ワンダーボーイ」『甦る 20世紀アーケードゲーム大全 Vol.2 アクションゲーム・シューティングゲーム熟成期編』メディアパル、2019年12月20日、41頁。ISBN 9784802110419。
- ^ a b c d e f g h i j k DAN「[. ザ・ベストゲーム]」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、97頁、ISBN 9784881994290。
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- ^ 「7月号特別付録 MEGADRIVE ALL CATALOG」『メガドライブFAN』第3巻第7号、徳間書店、1991年7月15日、62頁。
- ^ “セガハード大百科 ゲームギア対応ソフトウェア(セガ発売)”. セガ. 2012年6月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月3日閲覧。
- ^ 「7月号特別付録 メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」『メガドライブFAN』第5巻第7号、徳間書店、1993年7月15日、125頁。
- ^ 土本学 (2008年4月7日). “「バーチャルコンソール」4月8日配信開始タイトル” (日本語). iNSIDE. イード. 2020年1月4日閲覧。
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- ^ にじ (2016年10月11日). “『ワンダーボーイ リターンズ』STEAMで10月13日発売。原作者監修の新ステージも追加” (日本語). 電撃オンライン. KADOKAWA. 2020年1月4日閲覧。
- ^ ito (2019年8月9日). “「ワンダーボーイ リターンズ リミックス」,PC版とPS4版が本日発売。セガ発売の名作がアニメ風のビジュアルになって復活” (日本語). 4Gamer.net. Aetas. 2019年12月22日閲覧。
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- ^ “World of Spectrum - Sinclair User-65”. World of Spectrum. 2019年1月4日閲覧。
- ^ “Wonder Boy”. ysrnry.co.uk. 2015年9月5日閲覧。
- ^ “Wonder Boy for Arcade (1986)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年1月4日閲覧。
- ^ “Wonder Boy for Commodore 64 (1987)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年1月4日閲覧。
- 1 ワンダーボーイ (ゲーム)とは
- 2 ワンダーボーイ (ゲーム)の概要
- 3 他機種版
- 4 評価
- 5 脚注
- ワンダーボーイ (ゲーム)のページへのリンク