ボラ 利用

ボラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/12 17:15 UTC 版)

利用

からすみの天日干し(台湾)
調理前のボラのへそ

刺し網定置網など、各種の沿岸漁法でほぼ年中漁獲される。石川県七尾湾沿岸の「ボラ待ちやぐら」など、地域独特の漁法もある。釣りでも漁獲できるが、吸いこむ摂食形態のため釣り上げるにはコツが要る。餌には魚の切り身、ゴカイ等を用いる。

その食性から汚染した水域で採れるものは臭みが強いが、臭みは血によるものが多いため、伊勢志摩地方では釣り上げてすぐに首を折り、海水に浸して完全に血を抜き臭みの大部分を消した上で食用とする。水質の良い水域のものや外洋の回遊個体は臭みが少なく、特にに脂瞼の回りに脂肪が付き白濁した状態になる「寒ボラ」は美味とされる。身は歯ごたえのある白身で、血合肉が鮮やかな色をしている。刺身洗い味噌汁唐揚げなど様々な料理で食べられる。刺身などの際は皮膚が厚く丈夫なので剥ぎ取った方がよい。臭みを消すには酢味噌柚子胡椒が用いられる。

身だけではなく、厚い筋肉が発達した幽門も「ボラのへそ」「そろばん玉」などと呼ばれ、ニワトリ砂嚢(砂肝、スナズリ)を柔らかくしたような歯ごたえで珍重される。よく水洗いした上で塩焼きや味噌汁などで食べられる。1匹から1つしか取れないため、これだけが流通することはまずない。

メスの卵巣を塩漬けし乾燥させたものがカラスミで、冬季の回遊ルートにあたる西日本各地や台湾地中海沿岸など世界各地で作られている。ギリシア料理ではボラの卵をタラモサラタに用いる。よって卵巣を利用する地域では特に大きなメスが珍重される。

故事

日本書紀の別伝に彦火火出見尊(山幸彦)のを口に入れていたのはこの魚(イナ)で、それで海神がこの魚に餌を食うことと天孫のご膳に加わることを禁じた、とある。

脚注




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