ホンダ・CR-X
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2代目・CR-X EF6/7/8型(1987-1992年)
ホンダ・CR-X(2代目) EF6/7/8型 | |
---|---|
CR-X 後期 フロント | |
リア | |
概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 1987年9月 – 1992年3月 |
ボディ | |
乗車定員 | 4人 |
ボディタイプ | 3ドア ファストバッククーペ |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン |
D15B型:1.5L SOHC ZC型:1.6L DOHC B16A型:1.6L DOHC VTEC |
最高出力 |
D15B型:105PS/6,500rpm ZC型:130PS/6,800rpm B16A型:160PS/7,600rpm 全てネット値 |
最大トルク |
D15B型:13.2kgf·m/4,500rpm ZC型:14.7kgf·m/5,700rpm B16A型:15.5kgf·m/7,000rpm 全てネット値 |
変速機 | 5速MT/4速AT |
サスペンション | |
サス前 | ダブルウィッシュボーン+コイルスプリング |
サス後 | ダブルウィッシュボーン+コイルスプリング |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,300mm |
全長 |
前期型:3,755mm 後期型:3,800mm |
全幅 | 1,675mm |
全高 | 1,270mm |
車両重量 |
1.5X:820kg Si:880kg SiR:1,000kg |
その他 | |
10モード燃費 |
1.5X:16.4km/L Si:15.2km/L SiR:13.4km/L |
ベース車 | ホンダ・シビック(4代目) |
1987年9月16日に発売。1986年10月にバラードが廃止されたため、車名から「バラード」が外れ単独ネームとなる。グレードは1.5Lの「1.5X」(EF6)と1.6Lの「Si」(EF7)。キャッチフレーズは当時のサイバーパンク流行にあやかり「サイバー・スポーツ」。
スタイルは先代を踏襲しつつ各部がフラッシュサーフェス化され、全体的にワイド&ローなフォルムとなった。先代では難があった後方視界を確保するため、リアエンドに「エクストラウインドウ」が採用された[10]。用いられたガラスには黒のピンドットが配されており、スモークガラスのように車外からは一見して透明には見えないため、外板パネルとの一体感があった。これは、外観デザインで当代最大の特徴とも言える箇所であり、後のインサイトや2代目以降のトヨタ・プリウスがほぼ同様の意匠を採用している。そのシャープなフォルムは当時の若い世代に人気があった[10]。
先代にオプション設定されていたルーフベンチレーションは廃止されたが、アウタースライド式サンルーフの他に「グラストップ」と呼ばれる、UVカットガラス製の屋根を装着する新オプションが設定された。グラストップには熱線反射材としてチタン皮膜が施され、取り外し式のサンシェードも備わっていた[要出典]。
エンジンはD15B型エンジン(CVデュアルキャブ仕様)と、ZC型エンジンの2種類。D15B型はSOHCながら1気筒あたり4バルブ(吸気側・排気側それぞれ2バルブ)で、「ハイパー16バルブ」と称していた。「Si」のボンネットには、先代同様パワーバルジが設けられ、「1.5X」との外見判別が容易だった。
サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーン式サスペンションとなった。
北米仕様には先代と同様に超低燃費仕様のグレード「HF」を設定。D15B6型エンジンに変更されたほか、車体が大きく重くなったものの、シティモードで41MPG(20.3km/L)・ハイウェイモードで50MPG(24.8km/L)の燃費性能を実現している。
また、先代と同様に「無限」が前後バンパーやサイドステップ、リアウイング、マフラーなどを「無限 CR-X PRO.2」の名称でリリースし、鈴鹿サーキットでマーシャルカーとして用いられた。
1988年8月4日のマイナーチェンジの際に、3チャンネル・4wA.L.B.(ABS)装着車が設定された[11]。
1989年9月22日、「VTEC」(可変バルブタイミング&リフト機構)を備えたB16A型エンジンを搭載した「SiR」(EF8)が発表された[12]。最高出力は160PS(ネット値)に達し、排気量1Lあたり100PSという、市販車の自然吸気エンジンとしては驚異的な出力を発揮していた。トランスミッションは5速MTのみの設定で、フロントブレーキが大径化される[13]。
後期型ではボディ前部の形状変更と、ヘッドライト形状の変更といった若干のフェイスリフトが行われ、全長が前期型の3,775mmから3,800mmとなった。また、前期型では凹型断面のボンネット形状が後期型では凸型に変更され、パワーバルジは不要となり廃止された。
国内向けには限定車も含め、4年半で10色前後のボディーカラーが設定された。なお、欧州向けの前期型は日本国内仕様の外観とほぼ同じだが、後期型はVTEC仕様のみ日本国内とほぼ同じ外観で、それ以外は前期型と同じ凹型断面のボンネットを採用し、バンパー形状は後期の北米仕様に準ずる。また、北米向けは前後期を問わず、日本国内仕様の前期型とほぼ同じデザイン意匠(バンパー形状のみ小変更)であった。
1990年9月のマイナーチェンジでアルミホイールのデザインを変更したほか、電動格納式リモコンドアミラー装着車やSiRのビスカスLSD仕様車が設定された。
1992年2月[14]、生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
1992年3月、3代目と入れ替わって販売終了。販売終了前月までの新車登録台数の累計は7万1,832台[15]。
注釈
- ^ 本車は1983年7月、3代目シビックの3ドア車は同年9月
出典
- ^ “Honda|今まで販売したクルマ|CR-X”. www.honda.co.jp. 2023年5月6日閲覧。
- ^ a b “F・Fライトウエイトスポーツ「ホンダ バラードスポーツCR-X」を発売”. global.honda. 2023年11月29日閲覧。
- ^ “新型「シビック&CR-X」を発売”. global.honda. 2023年11月29日閲覧。
- ^ “CR-Xをフルモデルチェンジ オープンとクーペを1台で楽しめる斬新なコンセプトの新型CR-Xデルソルを発売”. global.honda. 2023年11月29日閲覧。
- ^ “BALLADE SPORTS CR-X 1983.06|プレスインフォメーション|Honda公式サイト”. Honda公式サイト. 2023年5月6日閲覧。
- ^ a b “BALLADE SPORTS CR-X 1983.06|プレスインフォメーション|Honda公式サイト”. Honda公式サイト. 2023年5月6日閲覧。
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- ^ “FF小型乗用車「シビック・バラードシリーズ」に新設計DOHC・16バルブエンジン搭載車を追加し発売”. www.honda.co.jp. 2023年5月6日閲覧。
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第54号3ページより。
- ^ a b 『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p84
- ^ “「シビック&CR-X」シリーズの装備を充実して発売”. www.honda.co.jp. 2023年5月6日閲覧。
- ^ “ホンダ独創のVTECエンジンを「シビック・3ドア」と「CR-X」に搭載するなど「シビック&CR-X」シリーズの装備を充実し発売”. www.honda.co.jp. 2023年5月6日閲覧。
- ^ “Honda|CR-X(1992年2月終了モデル)”. www.honda.co.jp. 2023年5月6日閲覧。
- ^ “CR-X(1988年8月~1992年2月)”. トヨタ自動車株式会社 (2020年1月20日). 2020年1月20日閲覧。
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第71号3ページより。
- ^ a b c “CR-Xをフルモデルチェンジ オープンとクーペを1台で楽しめる斬新なコンセプトの新型CR-Xデルソルを発売”. www.honda.co.jp. 2023年5月6日閲覧。
- ^ “CR-X delsol 1992.02|プレスインフォメーション|Honda公式サイト”. Honda公式サイト. 2023年5月6日閲覧。
- ^ 交通タイムス社. “【ニッポンの名車】3代目でまさかの方向転換! ホンダCR-Xデルソルの衝撃”. WEB CARTOP. 2023年5月6日閲覧。
- ^ “CR-Xデルソル(ホンダ)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月20日). 2020年1月20日閲覧。
- ^ “Honda|CR-X(1999年終了モデル)”. www.honda.co.jp. 2023年5月6日閲覧。
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第85号13ページより。
- ^ 『ロスアンゼルスオートショーで「Honda Step Bus Concept」と「Honda REMIX Concept」を発表』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2006年11月30日 。
- ^ 『Honda Small Hybrid Sports Conceptをジュネーブモーターショーで発表』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2007年3月6日 。
- ^ 『「第40回東京モーターショー 2007」乗用車出展概要』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2007年10月9日 。
- ^ 『新型ハイブリッドカー「CR-Z」を発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2010年2月25日 。2021年12月17日閲覧。
- ^ “CR-Xという名前の意味と、開発裏話【地球に帰るまで、もう少し。vol.14】 - LAWRENCE - E-RIDE x LIFESTYLE + α”. lrnc.cc. 2023年5月6日閲覧。
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