ダイヤモンド・アイ 概要

ダイヤモンド・アイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/22 11:06 UTC 版)

概要

前世魔人と呼ばれる怪人の陰謀に対するフリーの記者、雷甲太郎と彼の指輪から現れるヒーロー、ダイヤモンド・アイの戦いを描く。『愛の戦士レインボーマン』に続く川内康範原作、NET・東宝制作のヒーロー番組第2弾である[5][6][2][7][8]

この番組は変身ブームの中で制作されたが変身ヒーローものではなく、主人公は雷甲太郎とダイヤモンド・アイの2人である[6][2][7]。これは前作『愛の戦士レインボーマン』との差別化を図ると同時に、生身の人間の活躍を描くことで子供たちに純粋な心と人間の勇気を伝えることを目的とし、「変身ヒーロー」ではなく「献身ヒーロー」と銘打っている[5][7]

『愛の戦士レインボーマン』など川内康範原作ヒーローに共通する社会性の強い作風が特徴である。物語には当時のオイルショック公害問題などを反映しており、敵組織も架空団体を用いて資金調達を行うなど現実的な悪を描いている[9][7]

後半では、前世魔人の支配者であるキングコブラこと源海龍の娘であるヒメコブラこと蘭花が登場。ヒメコブラが中心となり人間の心を悪に染めて暴れさせてしまう悪魔の薬ドリームXおよび頭脳改造マシンを用いての日本人を奴隷化させる作戦が展開され、前世魔人の非道さが強調された。その前世魔人との熾烈な戦いを描く中で、前世魔人の長としての使命感と初恋の人である甲太郎との愛との間で苦悩する蘭花の悲哀も描かれた[5][7]

ダイヤモンド・アイのデザインや一部キャラクターの名称など、川内原作の漫画『黄色い手袋X』(作画桑田二郎)を基にしている[7]。ただし、企画者である衛藤公彦は2作品の共通点についてはメインライターである伊東恒久が知っているのではないかと述べており[10]、伊東自身は『黄色い手袋X』と本作品とは密接な関係はなかった記憶であると述べている[11]。また、主人公である雷甲太郎は『七色仮面』の主人公である蘭光太郎から、登場キャラクターであるカボ子と五郎に関しても『月光仮面』の登場キャラクターであるカボ子と五郎八から採られたものではないかと書籍では指摘されている[11]


注釈

  1. ^ ダイヤはブルーダイヤ「エジプトの星」とも言われる。
  2. ^ 本作品では、前世魔人に変身後も変身前の俳優・女優がそのまま、前世魔人の声優を務めており、監督の演出技量や俳優・女優の個性も相まって、シリーズが進むに連れて「バレたかー」の口上が、「バレたかバレたかー(ゲララチン)」「あ、こりゃまたバーレーたかー(オニカブトン)」のように徐々に大げさなものへ変化していった。
  3. ^ レース中、会場に駆けつけた母に一喝されて転倒。リタイアし、彼女に尻を叩かれて説教される姿を他社の記事として書かれてしまう。
  4. ^ 一話で複数回呼ばれることもあるため登場回数と話数は一致しない。
  5. ^ 企画段階では正義のステッキという名称があった[7][14]が、劇中では名称は呼ばれない。
  6. ^ 雑誌『宇宙船』vol.152では、アニメ演出家の奥田誠治が担当したと記述している[7]。同書によれば奥田は川内原作の『正義を愛する者 月光仮面』に参加した縁から起用されたとされる[7]。『特撮秘宝』vol.3の岡迫のインタビューでは、岡迫が手掛ける前にラフデザインが存在したとの証言もある[17]
  7. ^ 鎖に変化して相手を拘束することもできる。
  8. ^ 撮影会のものとは形状が異る[7]
  9. ^ 『’70年代特撮ヒーロー全集』では、名称をモウジンガーと記載している[26]
  10. ^ 1974年4月号は総集編。

参照話数

  1. ^ 第12話。

出典

  1. ^ a b 大全 2002, pp. 154–155.
  2. ^ a b c d TOHO TV HEROES 2018, p. 124, 「ダイヤモンド・アイ」
  3. ^ 大全 2002, p. 160.
  4. ^ 竹書房 / イオン編 編『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』竹書房、1995年11月30日、114頁。ISBN 4-88475-874-9。C0076。 
  5. ^ a b c 大全 2002, p. 118, 井上雄史「解説『ダイヤモンド・アイ』」
  6. ^ a b c d e f g h i 東宝特撮全怪獣図鑑 2014, p. 138, 「ダイヤモンド・アイ」
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae 宇宙船152 2016, pp. 106–111, 「宇宙船Archives ダイヤモンド・アイ」
  8. ^ a b GTOM vol.0 2022, p. 41, 「ダイヤモンド・アイ」
  9. ^ 全怪獣怪人』 下巻、勁文社、1990年11月30日、153頁。ISBN 4-7669-1209-8。C0676。 
  10. ^ 大全 2002, p. 64.
  11. ^ a b 大全 2002, p. 119, 井上雄史「解説『ダイヤモンド・アイ』」
  12. ^ a b c d e f g h i j k l m 大全 2002, p. 120, 「ダイヤモンド・アイ メインキャラクター・ファイル」
  13. ^ a b c d e f g h i j 大全 2002, p. 121, 「ダイヤモンド・アイ メインキャラクター・ファイル」
  14. ^ 大全 2002, p. 116.
  15. ^ a b c d 大全 2002, p. 122, 「ダイヤモンド・アイの超戦力」
  16. ^ 大全 2002, p. 108.
  17. ^ a b 特撮秘宝3 2016, pp. 184–187, 取材・文 中村哲「INTERVIEW『レインボーマン』『ダイヤモンド・アイ』キャラクターデザイン岡迫亘弘
  18. ^ 大全 2002, p. 148.
  19. ^ 大全 2002, p. 124, 「ダイヤモンド・アイ恐るべき前世魔人達 前世魔人全名鑑」
  20. ^ a b c d e f g h i 東宝特撮全怪獣図鑑 2014, p. 139, 「ダイヤモンド・アイ」
  21. ^ 大全 2002, p. 115.
  22. ^ a b 大全 2002, p. 123, 「キングコブラ ヒメコブラの超戦力」
  23. ^ a b c 東宝特撮全怪獣図鑑 2014, p. 140, 「ダイヤモンド・アイ」
  24. ^ a b c d e 大全 2002, p. 125, 「ダイヤモンド・アイ恐るべき前世魔人達 前世魔人全名鑑」
  25. ^ TOHO TV HEROES 2018, p. 125, 「ダイヤモンド・アイ」
  26. ^ 宇宙船SPECIAL 1998, pp. 116、144.
  27. ^ a b c d e 大全 2002, p. 126, 「ダイヤモンド・アイ恐るべき前世魔人達 前世魔人全名鑑」
  28. ^ 大全 2002, pp. 5, 126.
  29. ^ a b c 大全 2002, p. 153.
  30. ^ 大全 2002, p. 216.
  31. ^ 宇宙船151 2015, p. 101.
  32. ^ 『毎日新聞』1973年10月5日 - 1974年3月29日付テレビ欄。
  33. ^ 北海道新聞』(縮刷版) 1973年(昭和48年)10月 - 1974年(昭和49年)3月、テレビ欄。
  34. ^ 『河北新報』1974年1月1日付朝刊テレビ欄。
  35. ^ 『河北新報』1973年10月16日 - 1974年4月9日付テレビ欄。
  36. ^ 山形新聞』1974年3月テレビ欄。
  37. ^ 『秋田魁新報』1974年9月7日付朝刊テレビ欄(最終回)。
  38. ^ 『河北新報』1973年10月10日 - 1974年4月4日付テレビ欄。
  39. ^ 『福島民報』1973年10月10日 - 1974年4月4日付テレビ欄。
  40. ^ 『福島民報』1974年3月8日 - 5月31日付テレビ欄。
  41. ^ 信濃毎日新聞』1974年1月17日付朝刊、テレビ欄。
  42. ^ 山梨日日新聞』1974年3月テレビ欄。
  43. ^ 北國新聞』1973年10月テレビ欄。
  44. ^ 中日新聞』1973年10月テレビ欄。
  45. ^ a b 『サンケイ新聞』岡山版1973年10月5日 - 1974年3月29日付朝刊テレビ欄。
  46. ^ 山陰中央新報』1974年3月テレビ欄。
  47. ^ 『サンケイ新聞』岡山版1973年10月26日 - 1974年4月19日付朝刊テレビ欄。本来の枠ではフジテレビ系のクイズグランプリとスター千一夜を放送
  48. ^ 『中国新聞』1973年10月5日 - 1974年3月29日付朝刊テレビ欄。
  49. ^ 愛媛新聞』1974年6月テレビ欄。
  50. ^ 『中国新聞』1974年3月21日 - 1974年9月12日付朝刊テレビ欄。
  51. ^ 『熊本日日新聞』1973年10月テレビ欄。
  52. ^ 『熊本日日新聞』1974年3月テレビ欄。
  53. ^ 熊本日日新聞』1974年6月テレビ欄。
  54. ^ 宮崎日日新聞』1974年3月テレビ欄。
  55. ^ 『熊本日日新聞』1973年11月6日朝刊テレビ欄。





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