スウェーデンの交通 航空

スウェーデンの交通

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/05 19:21 UTC 版)

航空

スカンジナビア三国(スウェーデンノルウェーデンマーク)のフラッグ・キャリアたるスカンジナビア航空を筆頭に複数のマルメ・アヴィテーション(Malmö Aviation)、スカイウェイズ(Skyways)、ゴットランズフリーグ(Gotlandsflyg) 等の航空会社が国内・国外への旅客便を運航している。スカンジナビア航空以外の航空会社が運航する国際線のほとんどはヨーロッパ内に限られる。ここに列挙した以外にも、主にビジネス客を対象に小型ジェット機を利用した小規模な航空会社がある。

最近スウェーデンでも、格安航空会社を立ち上げようという試みがあるが、その代表格であったフライ・ミー (FlyMe) が2007年初旬に発足後わずか3年あまりで倒産するなど、状況はあまり芳しくない。またスカンジナビア航空でも2007年春、客室乗務員を中心に賃上げを要求するストライキが発生し、一週間全便が欠航する事態に至った。結果としては会社側が多少の賃上げを受け入れる形で事態は収拾されたが、原油価格の高騰と相まって、スカンジナビア航空の機内サービスは以前よりも質的に確実に低下している。特に、コペンハーゲン・東京間のような長距離便にその影響が顕著に表れているようである(エコノミークラスでのアルコール類の有料化、機内食の陳腐化等)。

米国同時多発テロ以降、スウェーデン国内の各空港でもセキュリティーチェックが強化された。それまで国内線ではごく簡単なセキュリティーチェックか、航空会社空港によっては全く実施されていない事もあった。一部の空港では国内線の出発・到着ゲート付近まで搭乗者でなくても容易に近づけていたが、現在は警備の強化で多くの空港で国内線であっても搭乗者以外はゲート周辺には立ち入りできなくなっている。また、刃物や爆発の危険があるものは勿論、たとえ安全な飲み物や化粧水香水等であっても最低限度の量以外の液体は持ち込みに規制がかかるようになった。(免税店で購入したレシート付きのアルコール類や医師診断書が添付された水薬などは一部例外あり。)

スウェーデン内の各空港ではこの5~10年程で、スカンジナビア航空を利用する際のチェックインが大幅に自動化された。自宅を出発前にスカンジナビア航空のホームページを通じて、もしくは空港までの移動中に携帯電話を通じてチェックインをしておけば、空港で自動チェックイン機から貨物室に預ける荷物のタグを自分で取り出す事ができ、いちいちカウンター前の長蛇の列に並ぶ必要がなくなっている。成田空港でつい最近まで行われていたようなチェックイン前の荷物のエックス線検査も、スウェーデン国内の空港ではかなり以前から大型エックス線検査機の導入によって廃止されていた。また、多くの航空会社で電子航空券(Eチケット)が導入されており、ユーロボーナスカード(スカンジナビア航空の場合)や購入時に利用したクレジットカードに電子的に記録される。利用客は空港で自動チェックイン機にカードを通して、荷物用タグと同時に搭乗券を受け取る。

スカンジナビア航空を始め、スウェーデンの航空会社は固定客となりうるビジネス利用者をその主な顧客層としており、時刻表の組み方からもそれが伺われる。ヤーン・カールソンがスカンジナビア航空の社長であった際に、スカンジナビア航空はそれまで観光客中心であった体質をビジネス客中心に転換することで財務状況を改善した。現在に至るまでスカンジナビア航空は国内便やヨーロッパ内の便には扱いやすい中型旅客機を主に使用しているのも、ヤーン・カールソンの時代から始められた事で、他の航空会社もこの例に倣っている。






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