ゴトランド級潜水艦 ゴトランド級潜水艦の概要

ゴトランド級潜水艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/10/31 22:49 UTC 版)

ゴトランド級潜水艦
ドックで就役を待つHMS Gotland
艦級概観
艦種 潜水艦
就役期間 1996年 - 現在
前級 ヴェステルイェトランド級 (A-17型)
次級 (A-26型)
性能諸元[1]
排水量 水上:1,384トン
水中:1,494トン
全長 60.60 m
全幅 6.06 m
吃水 5.60 m
機関 ディーゼル・スターリング・エレクトリック方式
ヘーデモラV12A/15-Ubディーゼル機関 (1,300 bhp) 2基
ジューモン・シュナイダー社製発電機 (760 kW) 2基
V4-275R Mk.2スターリング発電機 (75 kW) 2基
推進電動機 (1,800 shp) 1基
7翔式スクリュープロペラ 1軸
速力 水中:20ノット
水上:10ノット
潜航深度 通常:200 m
乗員 23名
兵装 533mm魚雷発射管
(Tp.613/62魚雷×計12発)
4門
400mm魚雷発射管
(Tp.42/43/45魚雷×計4発)
2門
C4I サーブ9SCS Mk.3
レーダ テルマ社製 対水上捜索用 1基
ソナー CSU 90-2 統合式

来歴

発注は1990年3月28日に行われたが、実際に予算に盛り込まれたのは1992年度であった。当初は通常のディーゼル・エレクトリック艦として発注されたが、1991年9月5日にスターリングエンジンによる非大気依存推進(AIP)システム搭載のための設計変更が決定された[1]。スウェーデンのコックムス社では1960年代からスターリングAIPシステムの研究に着手しており、1983年からは実艦搭載を目指したプロトタイプ試験を開始、1988年には前量産型のMk.1モデルをA-14型潜水艦ネームシップに搭載しての洋上試験に入っていた。本級へのスターリングAIPシステムの搭載はこの試験の成果を踏まえたものであり[2]、これによって排水量にして200トン、全長にして7.5メートルの大型化につながった[1]

ネームシップの建造は1992年11月27日より開始され、1996年9月2日に海軍に引き渡された。当初は5隻の建造が計画されていたが、後半2隻の建造は実現しなかった[1]

設計・装備

設計は、基本的には、ヴェステルイェトランド級(A-17型)をもとにスターリングAIPシステムの搭載や電子装備の更新などに対応して改設計したものとなっている。本級で搭載されるスターリングAIPシステムはV4-275R Mk.2(出力75キロワット)と称されており、上記の「ネッケン」での洋上試験で搭載されたMk.1の発展型である。タンクに貯蔵した液体酸素ケロシン燃料による燃焼反応で熱(約800度)を生じて、これを熱交換器ヘリウムガスに伝えることによる膨張と、海水冷却による圧縮を繰り返すことでピストンの上下動を生じさせるものである。本級では24トンの液体酸素が搭載されており、最大で3週間[1]、速力5ノットで14日間の潜航が可能とされている[2]。搭載数は2基だが、さらに2基を追加する余地が確保されている。スターリングAIPシステムは非常に静粛性に優れており、また船体にはゴム製の水中吸音材も装備されている。なお「ハッランド」では、より暖かい地方での活動に対応するために空調設備が強化されている[1]

潜水艦情報処理装置としてはSESUB-940Aを備える。メーカーであるサーブ社では9SCS Mk.3と称されており、その名の通り、水上艦用の9LV Mk.3を元に開発されたものである。テルマ Tp.IID多機能コンソール3基が配されており、272個の目標を管理し、うち95個を同時に追尾できる。また1998年以降のアップデートにより、新型のTp.62魚雷の運用能力を獲得したが、これは、魚雷のソナーで捉えた目標情報を母艦の潜水艦情報処理装置に転送する機能を備えていた。ソナーとしては、ドイツのSTNアトラス社製のCSU 90-2が搭載された。これは同社のCSU 83を元に側面アレイ・ソナーを統合したもので、艦首のPRS 3-15円筒アレイと魚雷警報装置、艦体装備のFAS 3-1側面アレイから構成されている[1][3]

配備

同型艦一覧[1]
艦名 起工 進水 竣工 就役 就役先 現状
ゴトランド
HMS Gotland
1992年11月27日 1995年2月2日 1996年9月2日 1999年9月 第1潜水
小艦隊
運用中
ウップランド
HMS Uppland
1994年7月 1996年9月27日 1997年10月1日
ハッランド
HMS Halland
1992年1月14日 1996年2月9日 1997年5月1日

アメリカ海軍へ貸与

2004年、ゴトラントは対潜戦の研究のために当初1年間の予定でアメリカ海軍へ貸与された。この時の報告がある。[4][5] 2006年、貸与は12ヶ月延長された。[6][7][8]

2005年の演習でHMS ゴトランドは空母ロナルドレーガンと共に複数の写真に収まっている。[9] アメリカ海軍はこの演習で通常動力潜水艦に対する作戦法を経験した。[10][11]

2007年、7月、「ゴトランド」はサンディエゴからスウェーデンへ回航した。[12]




  1. ^ a b c d e f g h Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. pp. 691-692. ISBN 978-1591149545. 
  2. ^ a b 多田智彦「各国で開発進むAIP潜水艦 (特集・次世代の潜水艦) - (次世代潜水艦をめぐる8つの話題)」、『世界の艦船』第618号、海人社、2003年11月、 102-105頁、 NAID 80016160017
  3. ^ Norman Friedman (1997). The Naval Institute guide to world naval weapon systems 1997-1998. Naval Institute Press. pp. 593-595. ISBN 9781557502681. http://books.google.co.jp/books?id=l-DzknmTgDUC. 
  4. ^ US Navy Leasing Swedish Gotland-Class Submarine”. Deagel. 2004年11月5日閲覧。
  5. ^ “U.S., Swedish Navies Sign Agreement to Bilaterally Train on State-of-the-Art Sub” (プレスリリース), United States Navy, (2005年3月23日), http://www.news.navy.mil/search/display.asp?story_id=17621 
  6. ^ “US Navy to continue hunt for Swedish sub”. The Local. (2006年4月18日). http://www.thelocal.se/article.php?ID=3574 2006年7月21日閲覧。 
  7. ^ “Gotland extends US stay for another year” (プレスリリース), Kockums AB, (2006年6月13日), http://www.kockums.se/News/060613gotland.html 2006年7月21日閲覧。 
  8. ^ “HMS Gotland’s Stirling propulsion system basis of success in the USA” (プレスリリース), Kockums AB, (2007年5月9日), http://www.kockums.com/News/070509gotland.html 
  9. ^ “Pentagon: New Class Of Silent Submarines Poses Threat”. KNBC. (2006年10月19日). http://www.knbc.com/news/10116514/detail.html?rss=la&psp=news 2006年7月21日閲覧。 
  10. ^ Polmar, Norman (March 2006). “Back to the Future”. U.S. Naval Institute Proceedings 132 (3): 22–23. 0041-798X. 
  11. ^ US Navy Struggles to Recapture, Keep ASW Proficiency”. The Nav Log. 2008年4月6日閲覧。
  12. ^ SSK Gotland Class (Type A19) Attack Submarine, Sweden”. Naval Technology. 2008年4月6日閲覧。


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