カブトムシ亜科
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カブトムシ亜科 | ||||||||||||||||||||||||
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様々なカブトムシ
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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英名 | ||||||||||||||||||||||||
Rhinoceros beetles[注 1][1] Hercules beetles[注 2][2] | ||||||||||||||||||||||||
族 | ||||||||||||||||||||||||
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生息地
1987年時点で、全世界で1,300種類程度が知られ、分類学上は8族170属に整理されている[14]。しかしオスの成虫が大型で発達した角を持つ有名なカブトムシの大半(日本のカブトムシ T. dichotomus 、ヘラクレスオオカブト Dynastes helcules など)はカブトムシ族(オオカブト族) Dynastini に分類され、カブトムシ族以外に属する種の大半はオスでも角がなかったり、突起程度の小さい角しか持たない種も少なくない[15]。
幼虫が朽木や腐植土などを食べることから、森林に生息する種が多い[16]。熱帯地域を中心として世界中に分布を広げているが、特に大型で知名度の高い種類のほとんどは中南米に生息しており[17]、熱帯アメリカからは世界最長のカブトムシであるヘラクレスオオカブトを含むオオカブト属 Dynastes、ゾウカブト属 Megasoma 、タテヅノカブト属 Golofa などが知られている[15]。アジアやアフリカではアメリカ大陸に比べて種類が少ないが[14]、アジアではアトラスオオカブト属 Chalcosoma や、かつて日本のカブトムシも分類されていた Allomyrina 、ゴホンヅノカブト属 Eupatorus 、ヒメカブト属 Xylotrupes などが知られている[15]。一方、アフリカに生息しているカブトムシ族はケンタウルスオオカブト属 Augosoma 1属のみに限定されているが[18][15]、それはアジアではクワガタムシが、アフリカではハナムグリがそれぞれ繁栄していることが要因と考えられている[14]。海野和男はアフリカに大型カブトムシ類が少ない理由について、アフリカ大陸では体長100 mmを超す巨大種であるゴライアスオオツノハナムグリを始めとした巨大ハナムグリ類が繁栄しており、彼らがニッチを優占しているため、カブトムシ類が繁栄できなかったという可能性や[19]、大型カブトムシ類は起源が新しいグループであり、その発祥はアフリカではあるが、比較的近年になってアジアやアメリカで熱帯雨林が繁茂するに伴って進化していったグループであるという可能性を指摘している[18]。いずれの地域でも熱帯から亜熱帯の降雨林に多くの種類が生息しており、またほとんどの種類が夜行性であるため、野生下での習性・生態・生活史などは不明な点が多く、ココナツ・ヤシ・サトウキビの害虫(農業害虫)となっている種に関してある程度調べられている程度である[14]。
温帯には大型種はあまり見られず、北アメリカに生息するグラントシロカブト、日本のカブトムシなどである。
日本にはカブトムシ族に分類されるカブトムシ T. dichotomus のほか、マルカブトムシ族 Pentodontini に分類されるクロマルカブト Alissonotum pauper およびホリシャクロマルカブト A. impressicolle 、サイカブトムシ族 Oryctini に分類されるサイカブト Oryctes rhinoceros およびヒサマツサイカブト O. hisamatsui 、コカブトムシ族 Phileurini に分類されるコカブト Eophileurus chinensis の4族6種が生息している[20]。
特徴
本亜科の持つ第一の特徴として挙げられるのは、オスの角であるが、これは全てのカブトムシにあるわけではない。メスには角はないが、突起のようなものを見ることができるものがあり、これは産卵時に土壌や腐植質を掘り進むのに都合がよいと考えられている。オスには種類によっては頭部だけでなく前胸部にも角がある。角は餌場やメスの奪い合いの際の喧嘩に使われるが、必ずしも全ての種が角を活用しているわけではない。例えばゴホンツノカブトは5本の角を持ついかにも厳めしい姿をしたカブトムシだが、性格は温和で、角を使って争う姿は滅多に見られない。またタテヅノカブト類は細い竹の環境に適応して脚が長く発達した影響からか、喧嘩の際には角を使うよりも前脚で相手をなぎ払おうとする傾向が強い。その一方で角を武器として有効に使う種もあり、ヘラクレスオオカブトは頭角と胸角で相手を挟んで放り投げることができるし、コーカサスオオカブトは3本の角で相手を封じ込める。
成虫の体長は様々で、20 mmほどのものから、150 mmを超える大型種まである。2023年時点ではヘラクレスオオカブトの原名亜種 D. h. helcules で最大体長182.8 mmの個体が確認されており[21][22]、次いで同属のネプチューンオオカブト D. neptunes が体長150 mm超に達する[23]。アジア産のカブトムシ類で体長が最も大きくなるのは、アトラスオオカブト属 Chalcosoma のコーカサスオオカブト C. chiron である。最重はゾウカブト類の大型種であり、これらはゴライアスハナムグリに次ぐ重量級の甲虫である。
本亜科を含む甲虫類は独特の翅の構造を持つが、本亜科に属する種はその大きな体のため、飛翔は至極不器用である。ゾウカブト程の大型種ともなると羽音はすさまじい。足場を決めると、上翅を広げ、その下に畳まれていた下翅を伸ばして離陸する。幹にぶつかるように着地するが、脚を広げて飛ぶため、着地の際には木の葉や枝に引っかかってぶら下がる格好となることも珍しくない。尚、ヘクソドン類は上翅が融合し、飛翔能力がない。
脚注
出典
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- ^ a b 矢野宏二 編『世界の昆虫英名辞典 vol.1 A-L』櫂歌書房、2018年5月12日初版第1刷、536頁
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- ^ a b c d 清水輝彦 2015, p. 70.
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- ^ 清水輝彦 2015, p. 78.
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- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 海野和男 2006, p. 205.
- ^ 海野和男 2006, p. 8.
- ^ 岡島秀治 et al. 1987, p. 240.
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