オマハ級軽巡洋艦 オマハ級軽巡洋艦の概要

オマハ級軽巡洋艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/07 02:51 UTC 版)

オマハ級軽巡洋艦
USS オマハ (CL-4)
基本情報
艦種 軽巡洋艦
命名基準 都市名
運用者 アメリカ海軍
 ソビエト連邦海軍
建造期間 1918年 - 1925年
就役期間 1923年 - 1949年
建造数 10
前級 チェスター級
次級 ブルックリン級
要目
常備排水量 7,000 トン
満載排水量 7,200 トン
全長 169.4 m
最大幅 16.9 m
吃水 4.1 m
主缶 ヤーロウ式重油専燃水管ボイラー×8基
主機 ウェスティングハウス減速式ギヤード・タービン×4基
推進器 スクリュープロペラ×4軸
出力 9,000 hp (6,700 kW)
最大速力 36 kn (67 km/h; 41 mph)
航続距離 10,000 海里/10kn
乗員 458名(平時)
兵装
  • Mk16 53口径6インチ連装速射砲英語版×2基
  • Mk13 53口径6インチ単装速射砲×8基[注 2]
  • Mk11 3インチ高角砲英語版×8基
  • 21インチ三連装魚雷発射管×2基
  • 21インチ連装魚雷発射管×2基
  • 機雷×224発
装甲
  • 舷側:3 in (76 mm)(水線面主装甲)
  • 甲板:1.5 in (38 mm)(主甲板)
  • 司令塔:1.5 in (38 mm)
搭載機 水上機×2機[注 1]
レーダー SK-1レーダー英語版
その他 カタパルト×2基[注 1]
テンプレートを表示

概要

アメリカ海軍は大艦巨砲主義に基く艦隊決戦と日本海軍の新造巡洋艦への対抗を想定してオマハ級を艦隊型偵察巡洋艦・嚮導巡洋艦として建造した。駆逐艦の高性能・大型化を考慮し、主武装は標準的駆逐艦の主砲が4インチ砲クラスであった時代に、それを凌駕する6インチ(15.2cm)砲を搭載し、機動性は駆逐艦と同等の35 ノットという破格の高速発揮ができ、船体は排水量約7,000 トンで全長555 フィート(169.4 m) 以上と長かった。

艦体

竣工後の艦容の判る写真(写真はメンフィス)

船体形状は同時期のアメリカ海軍のクレムソン級駆逐艦と同様の高い艦首から低い艦尾までなだらかに傾斜する平甲板型船体である。乾舷の高い艦首から前述の通り15.2cm砲を箱型の連装砲塔に納め前部に1基、その背後に15.2cm単装砲を舷側にケースメイト(砲郭)配置で上下に2門を左右計4門配置した。その上に艦橋を基部にもつ三脚式の前檣が立つ。

三脚檣の背後に4本の煙突が立っているが、本級の機関は「シフト配置」を採用しているために煙突は2番煙突と3番煙突の間は広く取られており、煙突の周りは艦載艇置き場となっている。3番・4番煙突の中段には探照灯台が設けられている。4番煙突から後ろは簡便な単脚檣があり、その左右甲板上53.3cm3連装魚雷発射管が片舷1基ずつ計2基6門と、更に舷側には隠蔽式の53.3cm水上連装魚雷発射管が片舷1基ずつの計2基4門が備わっている。その背後に後ろ向きにケースメイト配置の15.2cm単装砲が4門と主砲塔1基が載る。4本煙突を持つオマハ級は同じ4本煙突を持つ旧式駆逐艦のシルエットと酷似していた。

近代化改装後のマーブルヘッド

しかし、細い船体に比して高い艦上構造物は荒天時の復元性に問題を抱え、1930年代に各艦随時ドック入りして前後のマストを切り詰め、代わりに前部三脚檣の中段に見張り所を設け、戦闘艦橋の左右にトラス構造の信号ヤードを取り付けた。また、軽量化は主武装にも及び「シンシナティ」「ローリー」「デトロイト」「リッチモンド」「マーブルヘッド」は舷側ケースメイト後部4基のうち下段2基を撤去して構造物自体の高さを減じさせ、これにより片舷指向門数は8門から7門に減少した[注 3]

兵装

主砲

主砲は新設計の「Mk 12 15.2cm(45口径)速射砲」である。47.7kgの砲弾を最大仰角30度で23,130mまで、仰角20度で19,290mまで届かせる射程を得ている。俯仰能力は連装砲塔とケースメイト配置で異なり砲塔形式では最大仰角30度・俯角10度で、舷側ケースメイトは最大仰角20度・俯角10度で砲塔形式とケースメイト配置で有効射程が異なる結果となり、片舷での全力射撃時には能力の劣るケースメイト側の射程に引きずられる設計となっていた。旋回角度は砲塔形式は艦首尾線方向を0度として左右150度の広い旋回角度を持つ。ケースメイト側が真横を0度として左右75度の旋回角度であった。発射速度は毎分7発であるが実用速度は5発程度であった。

備砲、魚雷兵装

高角砲は「Mark 11 7.62cm(50口径)高角砲」を採用している。5.9kgの砲弾を仰角43度で13,350m、最大仰角85度で9,270mの高度まで到達できた。これを単装砲架で左右方向に180度旋回でき、俯仰は仰角85度・俯角15度で発射速度は毎分15~20発だった。他に主砲では手に負えない相手への対抗として53.3cm魚雷発射管を三連装で片舷2基と連装発射管で2基ずつ計10門を装備した。


注釈

  1. ^ a b 1930年以降
  2. ^ 1929年の改装で6基に削減
  3. ^ 後に「マーブルヘッド」は片舷指向火力の低下を防ぐため後部見張り所に単装砲架を1基配置したが戦時中に撤去され、更に「デトロイト」は1945年1月の改装で前部上段2基を撤去している。

出典

  1. ^ a b ライバル! オマハ級の計画から終戦までの真実、169ページ
  2. ^ ライバル! オマハ級の計画から終戦までの真実、169-170ページ
  3. ^ ライバル! オマハ級の計画から終戦までの真実、171ページ


「オマハ級軽巡洋艦」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「オマハ級軽巡洋艦」の関連用語

オマハ級軽巡洋艦のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



オマハ級軽巡洋艦のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのオマハ級軽巡洋艦 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS