オデュッセイア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/30 23:09 UTC 版)
原典訳書
- 松平千秋訳 『オデュッセイア』 岩波文庫(上下)、1994年、のちワイド版。散文訳
- 呉茂一訳 『オデュッセイアー』 岩波文庫(旧版 全2巻)。韻文訳
- 高津春繁訳 「オデュッセイア」-『世界古典文学全集1 ホメーロス』、『筑摩世界文学大系2 ホメーロス』各・筑摩書房。散文訳
- 中務哲郎訳 『オデュッセイア』 京都大学学術出版会〈西洋古典叢書〉、2022年。散文改行訳
関連作品
- ジェイムズ・ジョイスの長編小説『ユリシーズ』(集英社ほか)は、『オデュッセイア』を下敷きにしたパロディ作品でもある。
- 『ユリシーズ』(1954年制作のイタリア映画) - オデュッセイアの映画化。
- 『ユリシーズの瞳』(1995年制作のギリシャ映画) - オデュッセイアをモチーフとした映画。
- 『宇宙伝説ユリシーズ31』(1981年制作の日仏合作テレビアニメ)はこの物語に材を取っている。主人公の名はユリシーズ、息子はテレマークという。
- 日本に中世から伝わり、幸若舞などにもなっている説話に『百合若大臣』がある。これは、主人公の百合若が戦から帰る途中で家来に裏切られて島に置き去りにされ、そこから苦心して帰還するというストーリーである。百合若は帰宅後、自分の妻に言い寄る男たちを弓で射殺す。以上のようにまとめると、『百合若大臣』はオデュッセイアと酷似している(主人公もオデュッセウスのラテン語名「ウリッセス」に似ている)。そのため、『百合若大臣』は『オデュッセイア』が日本で翻案されたものであるという仮説も提唱された。著名な提唱者は坪内逍遥や南方熊楠。
その他
- トロイア戦争が紀元前1200年代中期であるとの考古学的推定に基づき、トロイア陥落の100年以内の期間を調べた結果、『オデュッセイア』中の日食など天文現象に関する描写が歴史的事実の可能性があるとの研究報告が、2008年6月23日の『米科学アカデミー紀要』に発表された[3]。
- 西欧諸語では原義から転じてしばしば「長い航海」の意味でも使われる(例:『2001年宇宙の旅』の原題 2001: A Space Odyssey、アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査機2001 Mars Odysseyなど)。
- 本田技研工業(ホンダ)で生産されているミニバン、オデッセイ(ODYSSEY)の名もこれに由来する。また、同社で生産されているミニバン、エリシオン(ELYSION)は、この物語に登場する楽園の名であるエーリュシオンに由来している。また、海外専売車のミニバン、フィアット・ウリッセ(ウリッセはオデッセイアのラテン語読み)も同等の由来である。
オデュッセイアと同じ種類の言葉
叙事詩に関連する言葉 | イリアス エピック オデュッセイア ユーカラ ラーマーヤナ |
固有名詞の分類
- オデュッセイアのページへのリンク