エースコンバット04 シャッタードスカイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/08 16:41 UTC 版)
概要
ゲームコンセプトは、"IT'S CHANGING EVERYTHING AGAIN"(意訳:すべてが変わる、再び)。サブタイトルの「Shattered Skies」は「砕かれし空」という意味であり、ゲーム内(Mission 8)では「ソラノカケラ」と意訳されている。
ミッション間のサイドストーリーはSTUDIO 4℃制作、片渕須直監督が演出・脚本を担当。戦争の被害者である少年の視点でシナリオが書かれた。なお、片淵は本作以降も次回作「5」で全体の脚本を担当した他、本作の15年後を描いた「7」でも脚本を担当している。
なお、前作では日本語音声だったが、今作では英語に戻っている。
地上のグラフィックにはIKONOSによって撮影された衛星写真が用いられた[2]。ジャケットイラストはF-22(第1作のイラストと同じ機体だが、こちらは量産機仕様のF-22A)が描かれている。空をイメージした青を基調にしている。なお、発売2日前にアメリカ同時多発テロ事件が発生したため、一時的にテレビCMを自粛し、あわや発売中止かと騒がれたが、予定通りに発売した。舞台は前作、前々作に引き続いてユージア大陸である。また、本作ではミッションの分岐は存在しない。
ストーリー
ユージア大陸西部一帯を領土とする軍事大国・エルジア共和国と中央ユージア連合(FCU)を中心とするユージア大陸中部から東部の諸国家群は歴史的に関係が悪く、長きに渡って「武装平和」と呼ばれる緊張状態を続けていた。1996年7月、小惑星「1994XF04ユリシーズ」が地球への直撃コースを取っており、もしこのまま落着すれば核の冬が到来することが明らかになると、ユージア大陸各国はユリシーズを破壊するために協力し、迎撃用の巨大対空レールガン施設『ストーンヘンジ』を大陸中部の中立国サンサルバシオンに建造した。1999年7月、ユリシーズはロシュ限界を突破し1000個以上の破片に分裂して地球に落着、ストーンヘンジによってユリシーズの数々の破片は破砕され、人類の破滅という最悪の事態こそ避けられたものの、撃ち漏らした多数の破片が落着したことによりユージア大陸全土は大きな被害を被り、莫大な経済的損失と難民の発生によって混乱状態に陥った。
ユリシーズ落下から4年後の2003年夏、以前から続いていた対立に加えて、ユリシーズ落着によって発生した難民問題の対立が激化したことにより、エルジアはユージア大陸各国への武力侵攻によって事態の打開を図ることを決め、サンサルバシオンに電撃的に侵攻、大陸戦争が勃発した。FCU(中央ユージア連合)を始めとする大陸各国はエルジア軍の侵攻に対しISAF(独立国家連合軍)を組織し対抗するも、エルジア軍はストーンヘンジを接収して対空兵器として転用。その圧倒的な対空制圧力により、ISAF空軍は壊滅的な打撃を受けた。航空支援のないISAFは元々ISAF全軍に匹敵する規模を誇っていたエルジア軍の前に後退を続けていき、打開策として航空戦力によるストーンヘンジ破壊が試みられるもエルジア軍のエース部隊「黄色中隊」によって失敗。ISAFはついに大陸を放棄し、大陸北東の島国ノースポイントまで退却することとなる。こうしてノースポイントへ総司令部を撤退させたISAFは残存戦力の再編成に着手するが、総司令部は防空火力が脆弱な言わば「張り子の基地」であり、一方でエルジア軍は大陸北東部のリグリー飛行場を接収して戦略爆撃機部隊を集結させ、総司令部への爆撃を行おうとしていた。
2004年9月19日、エルジア軍工作員によりノースポイントの早期警戒レーダーの一部が破壊され、それと連携してエルジア軍の爆撃機部隊がノースポイントへ向かい進攻を開始、これに対処すべくISAFは迎撃機を発進させる。その迎撃機の中に、後にISAFの反抗を支える伝説的なエースパイロットとなるコールサイン「メビウス1」の機体があった...。
システム
- 機体の購入
- 第2作までと同じく、機体はミッションで得た報酬によって購入することで使用可能になる。
- 特殊兵装
- 機銃やミサイルのほかに、機体ごとに設定された特殊兵装を一つだけ装備することができる。広範囲を攻撃できる対地爆弾や、複数の敵を同時にロックオンできる空対空ミサイル・空対地ミサイルなどバリエーションは多岐にわたる。特殊兵装は機体につき通常一つだが、購入することで複数から選択できるようになる。下記の通り、一時帰還を利用することで、1ミッション中に他の特殊兵装を利用することも可能。第3作の兵装選択システムの応用ともいえる。CGモデルは一部を除き実在のものであるが、同じ種類でも機種によってモデルは変動する[注 2]。
- このシステムは特殊兵装選択が機種依存となった『5』を経て『ZERO』以降でも採用されている。
- ポイント制
- 敵機には得点が設定されており、最重要の敵目標を破壊するだけでなく、時間内に特定ポイントを獲得することを目標としたミッションが追加された。ミッションの評価ランクは、ミッション中に獲得したポイントの量で決定される。
- 作戦中の離着陸
- 前作までは特定のミッション後のみ、イベントとして空母に着艦することが出来たが、今作では任意でミッション中に作戦エリアから離れることで空母や基地に帰艦・着陸し、弾薬の補給や機体の修理、特殊兵装の変更などを行った後に離陸、作戦に復帰できる。
- 対戦モード
- 第1作以来、本作に搭載された。第1作と同じく、今作も左右分割になっていて、5つの対戦方式で対戦できる。(ゲームクリアによってさらにステージが追加される)
本作で新たに採用された、特殊兵装システムや無線通信による演出などのゲームシステムは好評であったため、以降のシリーズ作品に継承されている。また、HUD視点、三人称視点の他にコックピット視点への変更もできるようになった。
注釈
- ^ 公式ホームページでは『エースコンバット04 シャッタード・スカイズ』と表記されている。
- ^ 例として、XLAA(高機能空対空ミサイル(長距離))はF-14A・EF-2000・Su-35・X-02で使用できるが、CGモデルはF-14Aの場合はAIM-54 フェニックスに、EF-2000の場合はミーティアに、Su-35の場合はR-37に、X-02の場合はダークファイア(架空)に、それぞれ変化する。また、LASM(長距離空対艦ミサイル)はTND-IDS・F/A-18C・RM-01・F-2A・Su-37で使用できるが、こちらもCGモデルはTND-IDSの場合はコルモランに、F/A-18Cの場合はAGM-84に、RM-01の場合はエグゾセに、F-2Aの場合はASM-2に、Su-37の場合はKh-31に、それぞれ変化する。
- ^ 英語表記は表記ゆれが存在しており、04本編では「Invincible Fleet」、04の約15年後を描いた『7』では「Invincible Armada」と表記されている。
- ^ ただし、開発中の想定であるため公式の設定には含まれず、公式アカウント上でも「あくまでも裏側の開発の話なので、「MOBIUS1と直接関係ない」と思って頂いて構いません。」と前置きしている。
- ^ 実際のF-15 ACTIVEとは差異が大きく、本作では単座型でピトー管がなく、エンジンはF-15 S/MTDのものに酷似している。
出典
- ^ https://web.archive.org/web/20080331045251/https://www.acecombat.jp/ace6/news080130.html
- ^ ユーザー事例 - 日本スペースイメージング at the Wayback Machine (archived 2009年10月13日)
- ^ “β運動の岸辺で第136回 「黄色の13」の正体”. WEBアニメスタイル (2012年7月23日). 2019年11月4日閲覧。
- ^ a b c d “Su-33 フランカ-D `エースコンバット 黄色の13` (プラモデル)”. ハセガワ. 2020年8月6日閲覧。
- ^ 『エースコンバット04 シャッタードスカイ パーフェクトガイド』 ソフトバンクパブリッシング、98頁。
- ^ a b c d e f g h i j “Ace Combat 04: Shattered Skies (Video Game 2001) - Full Cast & Crew”. IMDb. 2019年11月4日閲覧。
- ^ 『エースコンバット04 シャッタードスカイ オフィシャルガイドブック』 ファミ通、2001年
- ^ “ナムコ、「エースコンバット04」のTVCMを自粛”. GAME Watch (2001年9月12日). 2021年9月13日閲覧。
- ^ “エースコンバット公式のツイート”. Twitter (2011年9月11日). 2021年9月13日閲覧。
- ^ “エースコンバット公式のツイート”. Twitter (2011年9月11日). 2021年9月13日閲覧。
- ^ “エースコンバット公式のツイート”. Twitter (2011年9月11日). 2021年9月13日閲覧。
固有名詞の分類
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