ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANETの概要

ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/26 10:17 UTC 版)

ウルトラマンコスモス > ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET
  • ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET
  • ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET ムサシ(13才)少年編
監督 北浦嗣巳
脚本
製作総指揮 円谷一夫
ナレーター 石坂浩二
出演者
音楽 矢野立美
主題歌 Project DMM 「ウルトラマンコスモス〜君にできるなにか」
撮影 大岡新一
編集 松木朗
製作会社 映画ウルトラマンコスモス2製作委員会
配給 松竹
公開
上映時間
  • 76分[1]
  • 75分(少年編)
製作国 日本
言語 日本語
興行収入 7億円[2]
前作 ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT
次作 ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE
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2002年9月7日には、子供時代のムサシを主人公にした『ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET ムサシ(13才)少年編』も一部の劇場で公開された(後述)。

同時上映は『新世紀ウルトラマン伝説』。

キャッチコピーは「優しさ 強さ 勇気 ここに集結」、「ムサシ 最後の決戦!!」。

概要

テレビシリーズ『ウルトラマンコスモス』の2年後を描く作品。コスモス本編には登場しなかったもう一人のウルトラマンであるウルトラマンジャスティスが今回の映画で初登場した。前作で監督補を務めた北浦嗣巳が本作品で映画監督デビューした[3]

当初はテレビシリーズが2002年6月に4クールで終了し本作品はその後日談として公開される予定であったが、テレビシリーズの延長を受けてテレビシリーズ完結前の公開となった[3]。主演俳優誤認逮捕事件を受けて本作品の公開も危ぶまれたが、予定通りに公開された[3]

マリアナ政府観光局からの要請によるタイアップでサイパン島での大がかりなロケが敢行された[4]。本作品の撮影は、テレビシリーズの第35話から第40話付近と並行して撮影していたことから、杉浦はその時期のテレビシリーズでは変身やセットのシーンのみでほとんど出演していなかったという[5]。劇中前半の潜水シーンでは、CG合成ではなく実際に演者・撮影クルーがライセンスを取得してスクーバダイビングでサイパンの海に潜っている[5]アメリカ同時多発テロ事件が発生したために海外での撮影を危ぶむ声も上がったが、本作品のテーマの一つが「破壊に屈しない勇気」であったため予定を変更せずに撮影が行われた[4]

ウルトラマンティガ』『ウルトラマンダイナ』『ウルトラマンガイア』『ウルトラマンネオス』で特捜チームの隊長・副隊長・隊員を演じた俳優たちが出演している[3]。本作品は、1966年の『ウルトラQ』以来、円谷特撮に携わってきた高野宏一の遺作となった。

本作品の音楽はテレビシリーズや前作で担当した冬木透ではなく、『ティガ』『ダイナ』で劇伴音楽を担当した矢野立美が担当した。

冒頭のスコーピスの戦いに登場するのは元々コロナモードだったが、撮影段階で本作品初登場のスペースコロナモードに変更された。

松竹映画部部長(当時)の北川淳一は、前作『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』の興行収入が厳しかったため「次はやめようか」との声も上層部からは出ていたが、「このまま終わってしまうのは忍びなくて、何とかやり直したい」と主張し、子供の少ない映画館のチェーン公開の廃止や規模の縮小を行い、映画内容もバトルシーンをメインにして前作の反省を活かしたと振り返っている[6]

ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET ムサシ(13才)少年編

『ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET』の劇場公開を前に発生した主演俳優誤認逮捕事件を受け、代替用として急遽制作された作品[3]。同主演俳優の登場シーンを差し替えるため、劇場版での前作『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』において子供時代のムサシを演じた東海孝之助が主演となっている。

子供時代のムサシの視点で再構成されているが、内容は『ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET』のダイジェストともいえる構成である。

結果的にコスモスの放送が再開されたことで『ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET』の公開が可能となったことから、今作は一旦行き場を失ったが、同作公開から1か月後、一部都市で公開された。

『ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE』の回想シーンでも本バージョンの新撮映像が使用されており、シリーズの正史扱いとなっている。

ストーリー

カオスヘッダーとの戦いから2年。TEAM EYESを離れ、長年の夢であったアストロノーツとなったムサシは、聖獣パラスタンが護る緑の遊星ジュランへ向かった。

しかし、ジュランに降り立ったムサシが見たのは、何者かによって倒されたパラスタンの無残な姿と、赤い砂に覆われ荒れ果てた死の星と化したジュランの光景だった。そこに怪獣スコーピスと、新しい戦闘モードスペースコロナモードになったウルトラマンコスモスが現れる。ムサシは再会したコスモスに救われ地球へ帰還し、友人のツトムの結婚式のためにサイパンへ向かった。そこでムサシは海底怪獣レイジャとSRCの新生チーム「TEAM SEA」、そしてギャシー星人の「シャウ」、「ジーン」と出会う。

ムサシはTEAM SEAへ入隊し、地球に飛来したスコーピスと交戦。レイジャも加勢するが力及ばず撃退されてしまう。「コスモスがいれば…」と嘆くムサシは、逃げ惑う人々の中にいた少年のコスモスが来てくれると信じる想いを受け、輝石を振り上げ再びコスモスと一体化。スコーピスたちを操り、遊星ジュランやギャシー星を滅ぼした張本人サンドロスに立ち向かうが歯が立たない。

そして、窮地に陥ったコスモスの前にもう一人のウルトラマンが現れ…。


注釈

  1. ^ 『ウルトラマンコスモス超全集』では、冷凍弾と記載されている[32]
  2. ^ a b 『ウルトラマン画報 下巻』では「時空間」と記述している[21]
  3. ^ 資料によっては滅却弾と記載されている[出典 10]
  4. ^ 資料によっては破壊光線[33][34]、破壊光弾[35]と記載されている。
  5. ^ 資料によっては暗黒剣と記載されている[出典 12]

出典

  1. ^ テレビマガジン特別編集 2003, p. 121.
  2. ^ 「2002年度 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて」『キネマ旬報2003年平成15年)2月下旬号、キネマ旬報社、2003年、140頁。 
  3. ^ a b c d e f g h i j k 宇宙船YB 2003, p. 157
  4. ^ a b c テレビマガジン特別編集 2003, p. 105
  5. ^ a b UPM vol.28 2021, pp. 20–21, 「特別インタビュー 杉浦太陽(春野ムサシ役)」
  6. ^ DNA 2005, pp. 97, 「ウルトラを支える人たち2 ウルトラマンは松竹の恩人です」
  7. ^ a b c HMC 2021, pp. 58–59, 「『ウルトラマンコスモス』」
  8. ^ a b c d e f g UPM vol.28 2021, p. 18, 「TEAM SEA」
  9. ^ a b c d e f g h UPM vol.28 2021, p. 10, 「ウルトラマンコスモス スペースコロナモード/フューチャーモード」
  10. ^ 完全超百科 2004, p. 111.
  11. ^ a b c テレビマガジン特別編集 2003, p. 17, 「秩序をもたらす巨人」
  12. ^ hayataro1217のツイート(821302243580252160)
  13. ^ a b 超全集 2003, pp. 20–21, 「ウルトラマンコスモス スペースコロナモード」
  14. ^ a b c d e コスモスイズム 2003, pp. 100–101, 「うなれ!コスモス超技の数々!」
  15. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 必殺技SG 2014, pp. 222–223, 「ウルトラヒーロー主要必殺技リスト」
  16. ^ a b c d e 超全集 2003, pp. 121–123, 「ウルトラマンコスモス完全攻略1 ウルトラマンコスモス全技図鑑」
  17. ^ a b 必殺技SG 2014, p. 141, 「Column ウルトラ戦士の未公開能力を探る 「幻の必殺技」を追え!!」
  18. ^ コスモスイズム 2003, pp. 98–99, 「ウルトラマンコスモス 技と能力」
  19. ^ 超全集 2003, p. 19, 「ウルトラマンコスモス スケルトンコロナモード」.
  20. ^ a b c d 宇宙船YB 2003, p. 131, 「ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET」
  21. ^ a b c d e f g h i j 画報 下巻 2003, p. 193, 「ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET」
  22. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s UPM vol.28 2021, p. 28, 「ウルトラマンジャスティス スタンダードモード/クラッシャーモード」
  23. ^ 『ウルトラマンAGE Vol.11』(辰巳出版)、12頁、「COSMOS DESIGN WORKS」より。
  24. ^ a b 川上英幸 (2015年8月8日). “ウルトラマンジャスティス”. 川上英幸のブログ. 2017年6月15日閲覧。
  25. ^ 「監督おかひでき×特技監督三池崇史対談」『ウルトラマンサーガ超全集』構成 間宮尚彦・乗浜彩乃、小学館てれびくんデラックス 愛蔵版〉、2012年4月23日、57頁。ISBN 978-4-09-105137-0 
  26. ^ a b 完全超百科 2004, p. 118.
  27. ^ ULTRA GALAXY FIGHT THE ABUSOLUTE CONSPIRACY 【公式】『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』”. 円谷プロダクション. 2020年9月24日閲覧。
  28. ^ a b c d e f g h HMC 2021, pp. 73–74, 「TEAM EYES/SRC/TEAM SEA/統合防衛軍 所属ライドメカ・兵器」
  29. ^ a b UPM vol.28 2021, p. 17, 「SRC関連メカ、統合防衛軍関連メカ」
  30. ^ a b 画報 下巻 2003, p. 174.
  31. ^ a b c コスモス2超百科 2002, p. 23.
  32. ^ 超全集 2003, p. 45.
  33. ^ a b c d e f g h i j 超全集 2003, p. 74, 「宇宙人・宇宙怪獣」
  34. ^ a b c d e f g h i 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, pp. 303–304
  35. ^ a b c d e f g h i j k l テレビマガジン特別編集 2003, p. 71, 「MONSTERS」
  36. ^ a b c d e コスモスイズム 2003, pp. 14–112, 「コスモス怪獣大百科」
  37. ^ a b c d e f UPM vol.28 2021, p. 25, 「カオスヘッダー、怪獣、カオス怪獣、宇宙人」
  38. ^ a b c d e 超全集 2003, p. 57, 「地球怪獣」

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