アレクサンドル・トローネル アレクサンドル・トローネルの概要

アレクサンドル・トローネル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/17 03:46 UTC 版)

アレクサンドル・トローネル

来歴

1906年8月3日ハンガリーブダペストに生まれる。

ブダペストの国立美術学校を出て画家となったトローネルだが、1929年にファシスト政権下の祖国からパリへ出る。そこで、ルネ・クレールの『自由を我等に』(À nous la liberté、1932年)やジャック・フェデーの『女だけの都』(Kermesse héroïque、1935年)のセットを担当した美術監督ラザール・メールソンの助手の職を得て、彼のもとで修行を積んだ。

独立してからは、彼はすぐれた映画監督たちと組んで精力的に仕事をした。マルセル・カルネの作品については、その大半のセットデザインをトローネルが担当している。なかでも、ドイツ占領下のフランスでカルネが『天井桟敷の人々』(Les Enfants du Paradis)を撮影した際、ユダヤ人であるトローネルがフランスにとどまって、撮影所から遠く離れた山荘に身を潜めたまま現場を指揮し、セットを完成させたというのはつとに有名な話である。

戦後は、ウィリアム・ワイラービリー・ワイルダーなどアメリカの映画監督との仕事も多く、『アパートの鍵貸します』では1960年のアカデミー賞で美術賞を得ている。

また、老いてからもそのセンスは衰えず、リュック・ベッソンの『サブウェイ』の近未来的なメトロのセットは、78歳のトローネルの手になるものである。この作品はセザール美術賞を獲得した。1993年12月5日、フランス・マンシュ県オモンヴィル=ラ=プティットで死去。87歳没。同地のちいさな墓地に、友人のジャック・プレヴェールのかたわらで眠る。

フィルモグラフィー

1937年

1938年

  • 『霧の波止場』(LE QUAI DES BRUMES) - マルセル・カルネ、ジャック・プレヴェール
  • 『北ホテル』(HÔTEL DU NORD) - マルセル・カルネ

1939年

1942年

  • 悪魔が夜来る』(LES VISITEURS DU SOIR) - マルセル・カルネ、ジャック・プレヴェール
  • 『高原の情熱』(LUMIÈRE D'ÉTÉ) - ジャン・グレミヨン、ジャック・プレヴェール

1943年

1944年

  • 天井桟敷の人々』(LES ENFANTS DU PARADIS) - マルセル・カルネ、ジャック・プレヴェール

1946年

  • 『夜の門』(LES PORTES DE LA NUIT) - マルセル・カルネ、ジャック・プレヴェール

1950年

1949年

  • 『港のマリー』(LA MARIE DU PORT) - マルセル・カルネ

1950年

1951年

  • 『七つの大罪(「肉欲」)』(LES SEPT PÉCHÉS CAPITAUX : LA LUXURE)- イヴ・アレグレ

1953年

1955年

1956年

1957年

  • 黙って抱いて』(SOIS BELLE ET TAIS-TOI) - マルク・アレグレ
  • 情婦』(Witness for the prosecution) - ビリー・ワイルダー

1959年

1960年

1961年

1962年

  • 『ジゴ』(GIGOT) - ジーン・ケリー

1963年

1964年

1966年

1969年

1970年

1975年

1977年

  • 『ビリー・ワイルダーの悲愁』(FEDORA) - ビリー・ワイルダー
  • 『南への道』(LES ROUTES DU SUD) - ジョゼフ・ロージー

1978年

  • 『ドン・ジョヴァンニ』(DON GIOVANNI) - ジョゼフ・ロージー

1979年

1982年

  • 』(LA TRUITE) - ジョゼフ・ロージー

1983年

1984年

1985年

1990年

受賞歴

アカデミー賞

受賞
1961年 アカデミー美術賞 (白黒部門):『アパートの鍵貸します
ノミネート
1976年 アカデミー美術賞:『王になろうとした男



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