PC-9800シリーズ用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 07:24 UTC 版)
「N88-BASIC」の記事における「PC-9800シリーズ用」の解説
N88-BASIC(86)は、1982年(昭和57年)から発売されたPC-9800シリーズのROM-BASICで、PC-8800シリーズのN88-BASICと、高いレベルで互換性がある。名称の(86)は、採用したx86系プロセッサに由来する。8ビット機時代のN-BASICとN88-BASICはNECとマイクロソフトの共同開発であったが、N88-BASIC(86)はNECのみによる独自開発である。 当初NECはマイクロソフトに開発を打診したが、8ビット機時代の「方言」の氾濫に手を焼き標準化を画策していたマイクロソフトは、同社が16ビット機用の決定版として開発したGW-BASICの採用を強く働きかけてきた。しかし、GW-BASICはIBM PC互換アーキテクチャを前提としている上、ラベルすら使えない旧態依然としたBASICであったため、N88-BASICで蓄積された膨大なソフトウェア資産を継承することは困難であり、NECはBASICを自社開発することによって独自路線を堅持する道を選択した。開発にあたってNECは、互換性を高めるためにN88-BASICのリバースエンジニアリングを行っている。当然ながら、完成したBASICにはN88-BASICと限りなく似た部分が存在し、マイクロソフトと衝突する可能性もあったわけであるが、最終的にはマイクロソフトから相当額の別の製品を購入することと、著作権の表示にマイクロソフトとNECの両社名を併記することで折り合った。 N88-DISK BASIC(86)も発売され、N88-DISK BASICとディスクフォーマットは互換性がある。しかし、BASICの中間コードが異なるため、プログラム交換の際はアスキー形式で保存する必要があった。 その後、日本語入力システムが追加されてN88-日本語BASIC(86)という名称になった。漢字の内部表現形式はN88-日本語BASICと異なっており、変換にはコンバータを必要とした。PC-9800シリーズのCRTCは2バイト文字テキストに対応しているため、N88-日本語BASIC(86)は広く使われるようになった。 PC-8800シリーズ用ほどバージョンは意識されないが、サポート対象ハードウェアの追加、日本語処理などのシステム拡張が行われている。最終バージョンは6.3。
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