3DCG技術・モーションキャプチャー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 14:13 UTC 版)
「SDガンダムフォース」の記事における「3DCG技術・モーションキャプチャー」の解説
アニメーション全体がトゥーンシェーディング方式を取り入れた3DCGにより表現された、滑らかなフル3DCGアニメーションとなっている。この技術の使用により、製作時間とコストの大幅削減を実現している。 CGアニメーション製作の際、本作にはモーションキャプチャーが使われており、実際の人間の動きをトレースしつつ描かれている。第1話で、キャプテンガンダムがシールドを軸にキックアクションをするシーンは、放送前より本手法の代表的な1シーンとして紹介されている。この手法によって、サンリオピューロランドのアトラクションとして作られた特別編「破壊大将軍あらわる!!ザコ?」では、プロレスラーの橋本真也がアクター(声優も兼ねている)として参加している。 ただし、モーションキャプチャーは全て人間によって行われるため、人以外のキャラクターの製作には困難が付き物であることが、ダルタニアン岡崎がブログによって触れている。 本作品のCG製作は、製作時の全ての要素の洗い出した末、出来上がったデータを最終的に合わせている。加えて、デフォルメキャラという、モーションキャプチャーの役者とは異なる要素を持ったキャラクターを動かすため、デザインの通り動かせない、またはそれらが困難を極めたこともあった。爆熱丸の最初のデザインは、アクションするごとに角や肩などが身体の他の部分に当たってしまうものだったため、デザインの調整が施されたり、背中から剣を取り出すと、SDキャラクターがCG上自らの頭を叩き割る結果になってしまうなど。関連項目のマーガレット市長の件もそれに含まれる。また、本作の試作時には「武者○伝」のキャラクターがよく使用されていた。 また、製作時間やコスト削減の成功を収めた反面、ストーリー面においては余裕のない状況がいくつか生まれ、お蔵入りになってしまった展開も多く存在している。 モーションキャプチャーを担当した俳優には「着ぐるみに入っているように演じてくれ」という注文がなされるなどしている。また、多数のパーツが連鎖的に動き、弾かれたり絡まったりするロープの使用が3話以降使用禁止になり、後半はほとんどがワイヤーになっている。また、自然物は手間がかかるという理由で極力省かれている。 業界でもこの新しい製作体制は一目置かれており、スタッフがインタビューなどで度々それを語っている。実際、後述するように原作者の富野由悠季が興味を持ち、アポ無しで現場を見学しにいくほどであった。 製作の中で経験を重ねた結果、演出効果や製作効率は向上し、戦闘におけるスピード感や、ガンダムキャラクターの目の表情が多彩になるなど、描写は進歩していった。ザコソルジャーがひしめくシーンや天宮の合戦シーンなどにおいては、それぞれのアクションを明確に奥のキャラクターまで一つ一つ別に描写する等、セルアニメでは困難と言える試みも行われている。製作自体は2002年から本格始動し、放送前にほぼ完成していた。アフレコなども早くから済んでいた。 CGテクニカルディレクターである鈴木健一自身が「1話と26話では雲泥の差」「1話ごとにどんどん進化している」と、賞賛している。しかしスタッフ達は初期にも良いエピソードがあるので、是非見てほしいと語っている。 本作品にて培われたCG技術は、短編OVA『GUNDAM EVOLVE』の、鈴木健一が監督を務めた武者頑駄無編など、CG作品にいくつか生かされている。
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