飯の注文
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 01:26 UTC 版)
飯の注文の約85パーセントは赤飯の注文であった。赤飯は即位式などの慶事に注文があり、最大12石という大量注文となることもあった。宮廷からの赤飯の注文時には配達先の指定があり、2斗、5斗、6斗の三種類の荷桶に入れた状態で配達され、比較的少量の配達を指示された場所用として1斗、5升の容器もあった。即位式では、宮廷で働く人々に対して一人当たり約5合の赤飯が配られたと推定され、即位式終了後、皆、家に持ち帰って家族で食べたものと考えられている。 後述するちまきの大量注文時とともに、これだけの赤飯の大量注文は川端道喜の独力で処理することは出来なかった。そこで他の同業者に応援を頼んだり、近所の六丁衆の助力を仰ぐことになった。前述のように六丁衆は諸役免除の特権を得ており、その代わりとしてこのような皇室の慶事等の御用時には協力し合うことになっていたのである。 赤飯以外の注文としては白蒸ともっそう飯、蓮飯があった。江戸時代の宮廷の習慣として、建築関係では完成時まで赤飯が注文されることは無く、上棟式などは白蒸と呼ばれた蒸したもち米が注文された。その他白蒸は女御の入内、法事等の際に注文された。なお宝暦5年(1755年)の白蒸の注文時に初めて白豆入りの注文がなされたが、その後何も入っていない白蒸よりも白豆入りの頻度が高まり、幕末期にはほぼ白豆入りとなる。このように宮廷からの注文内容にも時代による嗜好の変化が伺える。 なお、もっそう飯とは型に入れて抜いたご飯のことを指し、宮廷からの注文はピラミッド型の上部を切り取ったような型のご飯であり、例えば光格天皇即位時の祝能上演に際して黄色と白のもっそう飯1600個の注文があった。
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