題材・モデルとは? わかりやすく解説

題材・モデル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 23:40 UTC 版)

金閣寺 (小説)」の記事における「題材・モデル」の解説

金閣寺』の題材は、1950年昭和25年7月2日未明実際に起きた金閣寺放火事件」から取られたが、三島独自の人物造型観念加え構築し文学作品として構成している。三島没後30年2000年平成12年)に全公開された「『金閣寺創作ノート」には、より詳細構想過程見て取れる構想には、「金閣寺放火事件」について小林秀雄述べたエッセイ金閣焼亡」(1950年9月)からの刺激もあったとされる。また奥野健男が『太宰治論』を書く際に参考にしたミンコフスキー著の『精神分裂病』を勧められ、『金閣寺』の執筆以前読んでいたとされる1955年昭和30年9月から、肉体改造ボディビル)に乗り出した三島当時30歳)は、「行為の意味模索し始めその5年前起った金閣寺放火事件」の犯人林養賢犯罪行為美に対す反感)を、「美への行為」と見なすことで、そこに三島自身問題性文学的モチーフ盛り込み、自らの人生主題賭け新たな素材とした。また「創作ノート」には、〈林養賢は書かざる芸術家犯罪天才〉という記述見られ戦後社会風潮違和感持っていた三島が、「犯罪の形で表れる若者プロテスト」に親近感抱いていたと佐藤秀明解説している。 三島同年11月京都赴いたが、金閣寺鹿苑寺)の直接取材面談断られたため、同じ臨済宗異派妙心寺泊まり、若い修行僧の生活を調べた金閣寺周辺取材について三島は、〈それこそ舐めるやうにスケッチして歩いた〉と語り南禅寺大谷大学舞鶴近郊成生岬由良川河口丹念に文章スケッチされ、五番町などは実際に遊廓一軒上がり二階部屋内部様子や、中庭干され洗濯物までも詳細に記述されている。さらに、どうやって調査したのか、直接取材断られたにもかかわらず金閣寺内の間取りや畳数を記した室内図や作業場内部の図まで克明に描かれている。 なお、金閣寺の前での上娼婦踏みつける場面は、歌舞伎祇園祭礼信仰記』の「北山金閣寺の場」で松永大膳雪舟孫娘雪姫清原雪信モデル)を金閣寺の前で足蹴にする場面ヒント創作したことを三島村松剛言っていたとされる

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題材・モデル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/01 06:18 UTC 版)

青の時代 (小説)」の記事における「題材・モデル」の解説

青の時代』の題材は、執筆前年1949年昭和24年11月24日起った光クラブ事件」から取られており、主人公川崎誠モデルは、闇金融光クラブ」の社長山崎晃嗣である。戦後世相騒がせた光クラブ事件」は、高金利金会社光クラブ」を経営していた東大法学部3年山崎晃嗣が、物価統制令銀行法違反問われ多額債務残したまま、27歳青酸カリ飲んで自殺したというものである。 「アプレ青年」と呼ばれた山崎起こしたこの事件は、戦後価値混乱象徴するものであった遺書には、「貸借法すべて青酸カリ自殺」という、人を食ったような辞世の句残したが、『青の時代』では主人公自殺するまでは描かれずに、暗示留めたまま終わらせている。

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