雄牛の子宮編
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 15:41 UTC 版)
羽山 郁斗(はやま いくと) 大手金融会社社長・羽山紀明の一人息子。「奥多摩廃屋猟奇殺人事件」の真犯人。21歳。雄牛の子宮編の主要人物。 父親の財力や社会的地位をかさに傲岸不遜の典型的な馬鹿息子。周りの人間を「貧乏人」と見下し、自分の非を認められない。一見部下のように従う滑骨の持ち上げに乗って父の会社を窮地に追い詰めているが、当人はそのことに気づいていない。 梶が迷宮ギャンブルで擦り付けられた「奥多摩廃屋猟奇殺人事件」の真犯人で、被害者達の歯で作った入れ歯をしているなど、快楽殺人鬼の性向を持つ。奥多摩の事件は杜撰過ぎたが、それを滑骨が対処したことで最小限の露見で済み、以後は拷問具「ファラリスの雄牛」を使った秒のカウントゲームで、人知れず数々の人間を焼き殺していた。 雄牛の子宮編において、真犯人を見つけて濡れ衣を晴らしたい梶の訪問を受ける。裏社会の問題解決人を装った彼と賭郎立会人を装ったカールに騙されるままに証拠の入れ歯を渡してしまいそうになるが、蘭子と滑骨の介入によって窮地を脱する。その後、歯より証拠能力の高い「切り取られた耳」を賭けて、梶らと得意のファラリスの雄牛ゲームで戦うことにする。実は若者以外には聞き取れないモスキート音を利用したイカサマをしており、カールを倒し、梶も追い込む。だが、梶にトリックがバレたことで大敗北を喫する。命乞いと正に口だけの反省に、改悛の情はまったく見えず、何度も自首を促した梶も最期には諦め見捨てる。再戦の可能性に賭けて雄牛の中に入るものの、カールの細工で外気を吸うことを封じられており、焼死する。なお、その死体は今まで焼き殺された者達の怨念が現れたかのように無数の手のひらの火傷跡が残るオカルトめいたものになっていた。 滑骨 種美(なめりぼね たねみ) 暴力団・滑骨組組長。雄牛の子宮編の主要人物。 髪も眉も髭も一本も毛が無い容姿の男。言葉巧みに相手の懐へと入り込み、弱みを握って相手をしゃぶり尽くす悪党で、蘭子からも嫌悪される外道。「滑らか」な物に偏執的に執着しており、部下の男にフライドチキンを肉片一つ残らず食べさせ、残った骨の滑らかな部分をしゃぶる癖がある。 かつて「奥多摩廃屋猟奇殺人事件」において羽山郁斗の犯罪を隠蔽したことで彼に取り入った過去を持つ。しかし、その真の狙いはそれを脅迫材料にして羽山家の財産を奪うためであった。さらに脅しを効果的にするため、続く彼のファラリスの雄牛ゲームにも加担し、彼の連続殺人に手を貸し続けていた。 雄牛の子宮編において本命であった羽山家の財産乗っ取りのための行動を起こすが、商売敵の蘭子に悟られた上に、梶の介入も受ける。梶と郁斗の勝負に立ち会うこととなり、梶が勝った場合には自分が所有する殺人の「証拠」(被害者の耳)と「謝罪」を約束する。しかし、郁斗が敗死すると約束を反故にし、梶を叩きのめして証拠も持ち去ってしまう。そして、証拠隠滅のため部下に羽山邸にいる人間の殲滅を命じようとした直後、伽羅に一瞬で殺される。 ジョンリョの契約者であり、多数の恨みを買うものの命は狙われていなかった。伽羅が滑骨を殺したことで、伽羅はジョンリョの標的となる。 滑骨の部下 名前不明。 常に滑骨に付き従う低いモヒカン頭でオニギリみたいな頭をした肥満体の男。オネエ言葉で話す。常にフライドチキンを携帯しており、滑骨から合図を送られると肉のみを食べて骨を滑骨に渡している。 ファラリスの雄牛ゲームにおいて、雄牛を焙る火の調節を担うが、そのために伽羅から密かに圧力を掛けられる。敗北したカールへの罰の執行に際して周りにバレない程度に火力を抑えた上でペナルティ時間も短縮し、執行後は外へ連れ出して救急車で搬送させるなど、彼の生存に一役買う。その後、滑骨を殺害した伽羅に対し、ジョンリョのことを教えるが、直後に現れたジョンリョに首を捻じ切られて殺害される。 滑骨と郁斗が初めて会った回想にも登場しており、そのころは痩せていた。滑骨が殺された直後には、その死体に蹴りを入れ「あたしの身体こんなにしてくれちゃって」と肥満の原因がフライドチキンにあったことを示唆している。 羽山 紀明(はやま のりあき) 大手金融会社「ハヤマルナローン」の社長。羽山郁斗の父。 政界やその筋の者達とも繋がりがある財界の顔。郁斗の犯罪をネタに蘭子と滑骨双方から会社や資産を狙われ、自信のあった人脈を頼るものの、見捨てられてしまう。それでも2人がファラリスの雄牛勝負で席を外した隙をついて、部下に資産の取りまとめと隠蔽を指示するが、すべて蘭子の筋書き通りで、支持を受けた部下は彼女の息が掛かっており全財産を失うことになる。
※この「雄牛の子宮編」の解説は、「嘘喰い」の解説の一部です。
「雄牛の子宮編」を含む「嘘喰い」の記事については、「嘘喰い」の概要を参照ください。
- 雄牛の子宮編のページへのリンク