阿波人形浄瑠璃とは? わかりやすく解説

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阿波人形浄瑠璃

名称: 阿波人形浄瑠璃
ふりがな あわにんぎょうじょうるり
種別1: 民俗芸能
保護団体名: 財団法人阿波人形浄瑠璃振興
指定年月日 1999.12.21(平成11.12.21)
都道府県(列記): 徳島県
市区町村(列記): 徳島市鳴門市阿南市勝浦郡勝浦町名西郡神山町那賀郡木沢村板野郡松茂町
代表都道府県 徳島県
備考
解説文:  阿波人形浄瑠璃は、徳島県各地伝承されている義太夫節ぎだゆうぶし】による三人遣【さんにんづか】いの人形芝居あり、かつては各地農村舞台地元神社の祭礼などの機会上演されてきた。
 阿波では、近世阿波淡路領国とした蜂須賀はちすか】家が人形芝居保護奨励したことにより、先進地である淡路人形座が徳島城下をはじめとする各地盛んに興行行ったことが知られている。阿波人形浄瑠璃は、これらの淡路人形座の活動影響受けて各地素人しろうと】による人形座が生まれ成立したものと考えられる。その起源定かではないが、阿波人形師の祖とされる馬之瀬うまのせこまぞう】が阿波移住し活動した時代享保年間一七一六三五年)と伝えられることから、少なくとも一八世紀前半には阿波人形座の活動始まっていたと思われる
 阿波人形浄瑠璃の絶頂期明治中ごろといわれ、著名な人形師である初代天狗【てんぐ】屋久吉【ひさきち】の明治二十年ころの注文帳によれば当時県内に七〇以上の人形座が活動していたことが記録されている。これらの座は、自らの集落祭礼等に上演するのみならず農閑期には他村へも興行したその後昭和期には、映画など新たな娯楽登場戦争影響など急速に衰えた。しかし戦後昭和二十八年の(財)阿波人形浄瑠璃振興会の結成なども契機となり、現在ではいくつかの座の活動復活しており、祭礼での奉納上演のほか、振興会主催の大会など各種催し物公開されている。
 阿波人形浄瑠璃の特徴としては、第一に人形の首【かしら】の大型化あげられる人形浄瑠璃文楽ぶんらく】の首が四寸型を基本とするのに対し、阿波人形浄瑠璃では六寸型が基本となっているが、これは明治初年から中ごろにかけて、農村舞台での効果など考えて天狗屋久吉はじめとする人形師たちにより加えられ工夫であると思われる。さらにこの首の使用が広まるにつれ、それを生かした大振り人形操作による独自の演出法等も生まれ西日本における地方代表的人形浄瑠璃として、四国九州他地域人形浄瑠璃にも大きな影響与えた。なお伝承演目としては「傾城阿波鳴門けいせいあわのなると】 巡礼歌【じゆんれいうた】の段」を別にすれば、大振り人形演出適した時代物が多い。
 以上のように阿波人形浄瑠璃は、首の大型化など地方独自の工夫展開した人形浄瑠璃であり、わが国芸能変遷過程を示すものとして特に重要である。
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文楽

(阿波人形浄瑠璃 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/30 17:12 UTC 版)

文楽(ぶんらく)とは、人形浄瑠璃文楽のこと。大阪で成立し本拠地とする人形浄瑠璃の系譜。


注釈

  1. ^ 文楽の場合は浄瑠璃の一派である義太夫節文楽以外では古浄瑠璃によって演じられる人形浄瑠璃も存在する。
  2. ^ 歌舞伎の舞台で義太夫節を語る、いわゆる竹本の太夫の場合は、文楽で「大夫」と表記していた期間も「太夫」と表記していた。

出典

  1. ^ a b 大阪の人形浄瑠璃、あるいは淡路や阿波の人形浄瑠璃の影響を受けている場合など、文楽座の直接の系譜以外にも「文楽」を称する人形浄瑠璃がある。これらの名称は、謂わば東京の「銀座」にあやかり、地域の商店街が「○○銀座」と名乗るのと同じような命名である。
  2. ^ 浄瑠璃には通常の会話に近い形で演じられる箇所とはっきりしたメロディーのある箇所がふくまれるが、全体を演じることを「語る」と表現する。
  3. ^ “『太夫』表記のお知らせ”. 公益財団法人 文楽協会. (2016年3月14日). オリジナルの2016年4月13日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160413133354/https://bunraku.or.jp/pdf/news201603.pdf 2020年6月4日閲覧。 
  4. ^ “文楽の芸名「太夫」に戻します 「大夫」から60年ぶり”. 日本経済新聞. (2016年3月14日). https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14H5N_U6A310C1CR8000/ 2023年3月6日閲覧。 
  5. ^ 暁 晴翁「雲錦随筆」吉川弘文館(日本随筆大成 巻2)、1927年,107頁
  6. ^ 「操り浄瑠璃史」より、2012.7.28閲覧、http://homepage2.nifty.com/hay/rekisi07.html
  7. ^ “国立文楽劇場 橋下効果?3年ぶり入場者10万人超え”. 朝日新聞. (2013年1月29日). オリジナルの2013年2月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130208021439/http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2013/01/29/kiji/K20130129005080080.html 2013年2月8日閲覧。 
  8. ^ “「にっぽん文楽」プロジェクト立ち上げ/普及目指し五輪まで年2回公演”. ソーシャルイノベーション探訪. (2014年9月4日). http://blog.canpan.info/nfkouhou/archive/333 2014年12月25日閲覧。 
  9. ^ “文楽劇場入場者数、20年ぶり高水準 14年度、11万7000人”. 日本経済新聞. (2015年1月27日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASHC26HAK_W5A120C1AC8000/ 2015年2月25日閲覧。 
  10. ^ “六本木ヒルズに檜舞台が出現! 大盛況「にっぽん文楽」初公演”. 日本財団. (2015年5月8日). http://www.nippon-foundation.or.jp/what/spotlight/culture_sports/video/ 2015年6月1日閲覧。 
  11. ^ 「時代物」の内、奈良時代及び平安時代を舞台にしたものを特に「王朝物」、『太平記』の世界を描いたものを特に「太平記物」という。江戸期においては武家の事件をそのまま上演する事は検閲の対象となって上演が禁止され関係者が処罰される恐れがあったことから、太平記の世界に仮託されて創作された作品も多い。
  12. ^ 振り仮名は「文化デジタルライブラリー・文楽資料(番付)」に基づいた。独立行政法人・日本芸術文化振興会サイト2012年8月16日閲覧
  13. ^ 同上
  14. ^ 訃報欄 大西利夫氏(演劇評論家、劇作家)『朝日新聞』1977年(昭和52年)4月19日朝刊、13版、23面
  15. ^ https://www.city.iida.lg.jp/site/puppet/imada-history.html
  16. ^ http://www.82bunka.or.jp/bunkazai/legend/detail/04/post-58.php



阿波人形浄瑠璃

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 05:45 UTC 版)

文楽」の記事における「阿波人形浄瑠璃」の解説

徳島県保護団体名:財団法人阿波人形浄瑠璃振興会。振興会には2004年9月現在、人形14団体大夫部屋6団体三味線師匠6団体所属しており、阿波十郎兵衛屋敷では阿波十郎兵衛座が定期公演行っている。県下学校クラブ活動・部活動としても盛んである。演目は「傾城阿波の鳴門」など。人形師天狗久制作用具製品等重要有形民俗文化財指定されている。

※この「阿波人形浄瑠璃」の解説は、「文楽」の解説の一部です。
「阿波人形浄瑠璃」を含む「文楽」の記事については、「文楽」の概要を参照ください。

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