芸態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/08 07:22 UTC 版)
相模人形芝居は、浄瑠璃に合わせて人形をあやつりながら演じる、江戸時代に近松門左衛門と竹本義太夫によって大いに発展した人形芝居の一つである。「人形芝居」であるため、文楽など人形浄瑠璃と異なり、大夫・三味線の伝承はなく、人形の操法のみが伝承されている。これは相模人形芝居の盛んだった神奈川県西部地域が、義太夫節の盛んだった地域でもあったため、在野で義太夫節を語っていた商人や富農が多く存在し、座で大夫・三味線を抱える必要がなかったことが理由とされている。現在でも公演の際には大夫、三味線に義太夫協会関係者等の協力を仰いでいる。 文楽などと同じ三人遣いの人形芝居で、1体の人形を首と右手を主遣いが、左手を左遣いが、両足を足遣いが操って演技するものである。使われる人形は、胴体部になる肩板に首を差し込み、これに手と足を付け衣装を付ける。 人形及び人形操法等について、文楽や他の人形浄瑠璃・人形芝居との違いとして 地方の人形芝居には多い「鉄砲ざし首」があり、操法としての「鉄砲ざし」が良好に残る。 文楽や阿波人形浄瑠璃などより人形がやや小ぶりである。これは文楽や阿波人形浄瑠璃が大人数の観衆を相手に公演していたため、遠くの観客にも見えるように人形が大型化したのに対し、相模人形芝居の公演は小人数の観衆を相手に公演していたため、大型化する必要がなかったことによると考えられている。 うなずきはおおむね小猿式である。なお一部の首にエンバ棒式だった名残りを留めるものがある。 「型」と呼ばれる人形の動きが数多くあり、1演目中で同じ型を同じ人形が演じないということが原則とされている。 総じて文楽より人形の動きが大きいとされる。 足の材質は綿足とモモ足が相半ばして混在している。 足の立ち方は「鳥居立ち」と呼ばれ、両足が神社の鳥居のようにやや足先を開き加減にして立つものとされている。 伝承されている三番叟は「序三番叟」である。 この他にも衣装の刺繍等細かな違いがある。
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