長野県川原田遺跡出土品とは? わかりやすく解説

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長野県川原田遺跡出土品

主名称: 長野県川原田遺跡出土品
指定番号 527
枝番 00
指定年月日 1999.06.07(平成11.06.07)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 縄文
年代
検索年代
解説文: 本件は、長野県川原田遺跡から出土した縄文時代中期資料である。
 遺跡は、長野県北佐久郡御代田町大字塩野川原田所在する。この地は、浅間山南麓尾根上で西側には真楽寺の「大沼の池」が、東側には「湧玉【わくたま】の湧水」が所在する水利恵まれた地で、標高八八メートル測る
 調査は、県営土地改良総合整備事業先立って平成二年に実施された。その結果遺跡全域(八、八〇〇平方メートル)の範囲から、縄文時代前期竪穴住居跡六軒土坑二基、同中期竪穴住居跡四六軒・土坑一八基以上の遺構群が検出された。特に縄文時代中期遺構は、尾根上の緩斜面にほぼ環状分布し多量遺物出土した
 本件はこれら遺物のうち、深鉢形土器三〇点・浅鉢形土器一点耳飾土偶残欠土製円盤等の土製品三九点、石鏃石錐せきすい】・打製石斧軽石製品等石器石製品七六点で構成されるなかでも本件特徴づけるのは、深鉢形土器主とする土器類である。特に深鉢形土器器形は、いずれも胴部上半外反し、口縁部はやや内湾気味に立ちあがり、四単位円形あるいは双頭状の装飾突起付ける点で共通する。そしてこの口縁部突起基準に、まず胴部上半垂下する弧線文を粘土紐で貼りつけ、その周囲渦巻き弧状沈線、さらに刺突による列点を加えて隙間なく埋め尽くす。また胴部なかほどにも四単位円形文を突起状に貼りつけここから下半にかけて胴上半同様な文様を施すが、胴部下端付近文様意識的に磨り消され土器全体文様構図引き締まった感じ与えている。
 これらの文様特徴とする土器は「焼町土器【やけまちどき】」と呼ばれ長野県東部から群馬県西部比較的狭い地域で、縄文時代中期中葉盛行する。このころ新潟県中部ではいわゆる火焔土器が、長野県南部から山梨県、さらに関東地方南西部にかけては勝坂式土器盛行し本州中部地域中心に個性的豪放な土器型式展開する本件は、その典型として造形的にも優れ質量的にも他の追随を許さない。また通常特定の遺跡出土土器には、その地域主体となる土器型式組み合って隣接する型式土器が伴うが、本件にはわずかに勝坂式土器が伴うのみで、在地土器主体性きわめて強い。
 以上本件は、縄文時代中期における土器造形の一到達点を示す資料として、学術的に高い価値をもつ。



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