造語の誕生とは? わかりやすく解説

造語の誕生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 03:11 UTC 版)

ネクラ」の記事における「造語の誕生」の解説

起源について諸説あり、タレント九十九一発端とする説、音楽プロデューサー立川直樹を介して広まったとする説、タレントタモリ九十九向けた言葉発端とする説、漫画家いしかわじゅん創作したものにタモリ乗じたとする説などがある。このうち立川説については詳細定かではないが、タモリ説については1978年1月に『タモリのオールナイトニッポン』において発信されたのが始まりとされる評論家小林信彦1982年1月出版した『笑学百科』の中で次のように記している。 活字にしたのは、ぼくが最初かもしれないが、ぼくの知る限りでは、深夜放送タモリ用いていた。「長野県―暗いところですな、これは」という調子で、東北から信越=暗い土地大阪明る土地といった、おおざっぱな区分けがあり、そこの出身者は、「根が暗い……」「根が明るい……」と判別される。 — 小林信彦 小林によると「根が明るい」という表現はごくありふれたのだったが、「根が暗い」という表現珍しさがあった。さらにタモリが「根」を「値」のように発音していたこともおかしさを倍増させた。デビュー当時タモリ劇作家寺山修司物真似を得意としており、この俗語についても寺山をはじめとした前衛演劇関係者フォークシンガー向けられたものともいわれるジャーナリスト榊原昭二は『月刊言語1985年1月号の中で、著述家難波田紀夫の説として以下の内容を紹介している。それによると、いしかわ発信したことが端緒となり、1976年に『週刊プレイボーイ誌上対談においてさくまあきら達により九十九に対してレッテル貼りが行われた。その後1980年タモリ松岡正剛との共著で『愛の傾向と対策』を刊行した際、ネクラ頻繁に話題にしたことからブームとなった、というものである九十九本人は「さくまあきらっていうやつが、僕を罠にはめたんです。『本を出すからインタビュー頼む』って言うから行ってやったらあの通り」と発言している。ただし、この発言は『週刊プレイボーイ』の対談を指すのか、1982年にさくまや堀井雄二らの共著で『オレたちネクラ族』が刊行されたことを指すのかは定かではない。なお、九十九はこの俗語について「ダサい調子乗り陰気センス悪さ地方のにおい」など様々な要素含んだものであり、冗談言葉遊びのひとつと解釈している。 その後タモリ対義語ネアカと共に盛んに用いて拡散させた。やがて、その軽さや、他者性質単純に二分化できる便利さ相まって1982年流行語となった言葉解釈についてタモリ1984年行われたジャーナリスト筑紫哲也との対談の中で次のように評している。タモリによれば芸能界入り以降、人を見分ける基準困っていた中で発見したのが「ネクラ・ネアカ」の二分化だったとしている。この場合ネクラは「表面的に明るく見えるが実は暗さ抱える、その反対に表面的に暗く見えるが根の部分では明るい」という意味で、外観内実ギャップを示す言葉となる。 根が明るいやつは、もうオレ付き合う必要はない。根が明るいやつは、なぜいいのかと言うと、なんかグワーッとあった時に正面から対決しない。必ずサイドステップ踏んで、いったん受け流したりする。暗いやつというのは真正面から、四角のものは四角に見るので、力尽きちゃったり、あるいは悲観しちゃったなんかする。(中略)でもサイドステップ肝心な時に一歩出せれば、四角なものもちがう面が見えてくるんじゃないか。そういう時に、いったん受け流したりして危機乗り越えたりなんかする力強さが出るし、そういう男だと、絶対に人間関係もうまくいく。 — タモリ現代用語の基礎知識1983』にも掲載されたが、ここでは「奥深そうな、物知りそうな、無口の人」、鷹橋信夫著の『昭和世相流行語辞典』では「うわべは明るく陽気にふるまっていても本質は暗い性格持ち主のこと」と記されている。なお、『現代用語』では「ねくら族」なる派生語とその対義語にあたる「ひょうきん族」、榊原著の『現代世相辞典』では「根っから暗い気分の人」とのみ記されネクラ母親意味するネブクロ」なる派生語紹介している。

※この「造語の誕生」の解説は、「ネクラ」の解説の一部です。
「造語の誕生」を含む「ネクラ」の記事については、「ネクラ」の概要を参照ください。

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