絹本著色三千仏名宝塔図とは? わかりやすく解説

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絹本著色三千仏名宝塔図

主名称: 絹本著色三千仏名宝塔図
指定番号 1926
枝番 00
指定年月日 1994.06.28(平成6.06.28)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書 正慶二年二月竺仙梵僊の賛がある
員数 1幅
時代区分 鎌倉
年代 1333
検索年代
解説文:  本図は『三千仏名【ぶつみよう】経』に記された三劫三千仏の名を連ねて宝塔および放光表し下方にこれを賛嘆する群衆巡らせたものである三千仏の画像としては、一幅本の広隆寺蔵本重要文化財 昭和四〇五・二九)や三幅本の海住山寺蔵本および称名寺蔵本などがあるが、本図はこれらと異なり三千仏の形姿を描かず名号連ねる点に特徴がある。また、三千仏図には主尊として過去現在未来の三劫にあてた三尊を表すのがふつうであり、本図五仏描いていることも珍しい。本図禅林下における作とみられることから、禅宗でとくに流布した『大仏如来密因修証了義諸菩薩万行首楞厳経』(楞厳経)巻七に説かれる舎那【るしやな】・釈迦弥勒・阿〓【あしゆく】・弥陀に、この五仏比定することもできよう
 本図のように経文により塔を表す宝塔図として『金光明最勝王経』や『法華経』による作例があるが、『三千仏名経』による例は知られていない
 画中の如来菩薩以下の群衆は、軽妙な描線丁寧な彩色により生気のある表情をみせる。如来は額幅が広く額際が波うつ顔容であり、放光や湧形状あわせて宋代末期から元代ころの仏画表現通じる。著賛時期をさほど隔たらないころ、宋元代中国仏画祖本として制作されたのであろう
 本図に著賛している元僧竺仙梵僊【じくせんぼんせん】(一二九二-一三四八)は古林清茂【くりんせいむ】に参じ元徳元年一三九二)明極楚俊【みんきそしゆん】に従って来朝した。正慶元年一三三二二月十四日鎌倉浄妙寺入寺しており、本図著賛はその翌年にあたる。浄妙寺足利氏氏寺的な性格有していたが、本図が伝わる冨賀寺延元年中一三三六-九)に足利尊氏から祈願所として寺領一八〇町を寄進されたという寺伝をもつことは、本図伝来考え上で参考となろう
 他に例をみない特異な宝塔図であるうえに、群衆表現は的確かつ丁寧であり、さらに制作期と作画環境がほぼ特定できる本図価値きわめて高い。



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