代数的整数論
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代数的整数論(だいすうてきせいすうろん、英: algebraic number theory)は数論の一分野であり、抽象代数学の手法を用いて、整数や有理数、およびそれらの一般化を研究する。数論的な問題は、代数体やその整数環、有限体、関数体のような代数的対象の性質のことばで記述される。これらの性質は、例えば環において一意分解が成り立つかとか、イデアルの性質、体のガロワ群などであるが、ディオファントス方程式の解の存在のような、数論において極めて重要な問題を解決することができる。
注
出典
- ^ Stark, pp. 145–146.
- ^ Aczel, pp. 14–15.
- ^ Stark, pp. 44–47.
- ^ Disquisitiones Arithmeticae at Yalepress.yale.edu
- ^ a b Elstrodt, Jürgen (2007). “The Life and Work of Gustav Lejeune Dirichlet (1805–1859)” (PDF). Clay Mathematics Proceedings 2007年12月25日閲覧。.
- ^ Kanemitsu, Shigeru; Chaohua Jia (2002). Number theoretic methods: future trends. Springer. pp. 271–274. ISBN 978-1-4020-1080-4
- ^ Reid, Constance, 1996. Hilbert, Springer, ISBN 0-387-94674-8。
- ^ Helmut Hasse, History of Class Field Theory, in Algebraic Number Theory, edited by Cassels and Frölich, Academic Press, 1967, pp. 266–279
- ^ Fermat's Last Theorem, Simon Singh, 1997, ISBN 1-85702-521-0
- ^ Kolata, Gina (1993年6月24日). “At Last, Shout of 'Eureka!' In Age-Old Math Mystery”. The New York Times 2013年1月21日閲覧。
- ^ See proposition VIII.8.6.11 of Neukirch, Schmidt & Wingberg 2000
素点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/09 03:44 UTC 版)
実と複素の埋め込みは付値に基づいた観点を採用することで素イデアルとして同じ足場に置くことができる。例えば有理整数を考えよう。通常の絶対値関数 |·|: Q → R に加えて、各素数 p に対して定義される p 進絶対値関数 |·|p: Q → R があり、これは p による可除性を測る。オストロフスキーの定理は(同値の違いを除いて)これらが Q 上のすべての可能な絶対値関数であると述べている。したがって絶対値は Q の実埋め込みと素数をともに記述する共通の言語である。 代数体の素点 (place) は K 上の絶対値(英語版)関数の同値類である。素点には2種類ある。O の各素イデアル p {\displaystyle {\mathfrak {p}}} に対して p {\displaystyle {\mathfrak {p}}} -進絶対値が存在し、p-進絶対値と同様、それは可除性を測る。これらは有限素点と呼ばれる。素点のもう1つの種類は K の実あるいは複素埋め込みと R あるいは C 上の通常の絶対値関数を用いて特定できる。これらは無限素点である。絶対値は複素埋め込みとその共役の間で区別することができないから、複素埋め込みとその共役は同じ素点を決定する。したがって r1 個の実素点と r2 個の複素素点が存在する。v が絶対値に対応する付値であるとき、しばしば v | ∞ と書いて v が無限素点であることを、 v ∤ ∞ {\displaystyle v\nmid \infty } と書いてそれが有限素点であることを意味する。 体の素点をすべて一緒に考えることで数体のアデール環を得る。アデール環により、絶対値を用いて入手可能なすべてのデータを同時に追跡することができる。これは、アルティンの相互律のように、1つの素点での振る舞いが他の素点での振る舞いに影響するような常用において、重要な利益を生み出す。
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素点
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無限素点と有限素点を合わせて素点 (prime/place)または素因子という。
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素点
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このセクションの参考文献は Zariski–Samuel である。 体 K の素点(place)は、K の付値環 D から任意の x ∉ D {\displaystyle x\not \in D} に対して p ( 1 / x ) = 0 {\displaystyle p(1/x)=0} であるような体への環準同型 p である。素点の像は p の剰余体(residue field)と呼ばれる体である。例えば、カノニカルな写像 D → D / m D {\displaystyle D\to D/{\mathfrak {m}}_{D}} は素点である。 例:A をデデキント整域とし p {\displaystyle {\mathfrak {p}}} を素イデアルとする。するとカノニカルな写像 A p → k ( p ) {\displaystyle A_{\mathfrak {p}}\to k({\mathfrak {p}})} は素点である。 素点 p の付値環が素点 p' の付値環を含むとき、 p は p' に特殊化する(p specializes to p' )と言い、 p ⇝ p ′ {\displaystyle p\rightsquigarrow p'} と記す。代数幾何学においては、素イデアル p {\displaystyle {\mathfrak {p}}} が p ′ {\displaystyle {\mathfrak {p}}'} の部分集合であるときに、 p {\displaystyle {\mathfrak {p}}} は p ′ {\displaystyle {\mathfrak {p}}'} に特殊化すると言う。この2つの概念は一致する。 p ⇝ p ′ {\displaystyle p\rightsquigarrow p'} であることと p に対応する素イデアルがある付値環において p' に対応する素イデアルに特殊化することは同値である( D ⊃ D ′ {\displaystyle D\supset D'} が同じ体の付値環であれば、D は D ′ {\displaystyle D'} の素イデアルに対応することを思い出そう)。 次のことを証明できる。 p ⇝ p ′ {\displaystyle p\rightsquigarrow p'} であれば、p の剰余体 k ( p ) {\displaystyle k(p)} のある素点 q に対して p ′ = q ∘ p | D ′ {\displaystyle p'=q\circ p|_{D'}} である。( p ( D ′ ) {\displaystyle p(D')} は k ( p ) {\displaystyle k(p)} の付値環であることを確認し、q を対応する素点とすれば、あとは機械的である。)D が p の付値環であれば、そのクルル次元は p の p への特殊化以外の特殊化の濃度である。したがって、体 k 上の体 K の付値環 D をもった任意の素点 p に対し、以下が成り立つ。 t r . d e g k k ( p ) + dim D ≤ t r . d e g k K {\displaystyle \operatorname {tr.deg} _{k}k(p)+\dim D\leq \operatorname {tr.deg} _{k}K} . p が素点で A が p の付値環の部分環であれば、 ker ( p ) ∩ A {\displaystyle \operatorname {ker} (p)\cap A} は A における p の中心(center)と呼ばれる。
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