男性の装束
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 02:25 UTC 版)
礼服 即位礼、朝賀に用いられた中国風の豪奢な装束。孝明天皇即位式まで最高礼装として用いられた。 文官束帯 文官の装束。天皇、文官、三位以上の武官が着用。構成は内側から、小袖(こそで)、大口袴(おおぐちばかま)、単(ひとえ)、表袴(うえのはかま)、下襲(したがさね)、裾(きょ)、縫腋袍(ほうえきのほう)、石帯(せきたい)。下襲の上に半臂(はんぴ)を着用することになっていたが、冬期は着なくても良い(着用しなくてもバレない)こととなり、後に廃された。下襲の下に衵(あこめ)を着用していたが、明治以降天皇・皇族以外は着用しないこととなった。身分が高いほど裾が長い。中務省の官人、参議以上の官職にある者は勅許を得て大刀を佩用する。 武官束帯 武官の装束。四位以下の武官が着用。なお、三位以上の武官は文官と同じ装束であり、従って黒色の武官束帯を着用していると自動的に四位の武官であると判別できる。構成は内側から、小袖(こそで)、大口袴(おおぐちばかま)、表袴(うえのはかま)、単(ひとえ)、半臂(はんぴ)、下襲(したがさね)、闕腋袍(けってきのほう)、石帯(せきたい)。文官の縫腋の袍と違い闕腋の袍は脇が開いているため、半臂を略することができない。裾は下襲や袍と一体になっている。大刀を平緒で腰に結びつけて佩用する。 衣冠 男性の略礼装。元々は宮中に於ける宿直用の装束であったが、後に儀礼服化した。構成は内側から、小袖(こそで)、単(ひとえ)、指貫(さしぬき)、下襲(したがさね)、縫腋の袍(ほうえきのほう)。 直衣 狩衣 水干 狩衣と、ほぼ同じ形であるが、襟を止めるための長い紐が付いている点と菊綴が2個ずつ4ヶ所に付いている点が異なる。着方も、裾を袴の中に入れる場合と入れない場合、襟を狩衣と同様にする場合とV字型にする場合がある。
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